西武拝島線拝島駅、この路線にまつわる奇妙な話が、某大型掲示板のオカルト板に書き込まれた。
その駅の名前は「ひつか駅」。
「ひつか駅」が最初に話題になったのは、2012年頃の某大型掲示板、オカルト板への書き込みが発端です。
有名な「きさらぎ駅」と同じく、「異世界に存在する駅」として語られる怪異のひとつです。
「ひつか駅」について、考察を交えて掘り下げていきます。
ひつか駅とは?
ある日、投稿者Aは西武拝島線拝島駅から上り電車に乗り、うたた寝をしてしまいます。
目が覚めると車内は無人、乗客がいたはずなのに誰一人いません。
車内の静けさと違和感の中、ふと目に入った駅名表示には「ひつか駅」という見慣れない名前が表示されていました。
駅に降り立ったAが見たのは、一面が真っ白な世界。
眩しさではなく、“色”としての白に満たされた空間。地面も空も境界もなく、ただ白。
構造物らしきものはなく、あるのは黒い文字で「ひつか駅」と書かれた駅名標のみ。
Aはその場で呆然としていたが、やがて強い訛りを持つ5〜6歳の少女と出会います。
少女はこの場所が「絶対に入ってはいけない世界」であると告げ、Aを元の世界へ戻してくれる。
そして、こう言い残します。
「次はもう戻れない。もし来たら“烏なんたら様”を頼りなさい。」
そうしてAは気がつくと、見慣れた駅のベンチに座っていたという。
少女が口にした「烏なんたら様」という存在が何なのかは、今も明らかになっていません。
白の世界を考察
数ある怪異駅の都市伝説の中でも、「ひつか駅」の特異性は“白一色”の世界にあります。
「きさらぎ駅」や「いすこ駅」などでは、不気味なホームや改札、不可解な風景が描かれるが、「ひつか駅」には一切の風景がない。
世界そのものが“白”という、あまりに抽象的かつ超常的な構成です。
これは単なる異世界というよりも、この世とあの世の接続点や時間や存在の“狭間”のような場所ではないでしょうか?
そこに恐ろしい存在や怪物が現れることもなく、代わりに案内人のような少女が登場するのも印象的です。
彼女は「戻る方法」を知っており、なおかつこちらの世界のことも理解している様子。
こうした存在は、“彼岸”や“死後の案内人”のような存在にも見え、彼女自身が高位の存在、あるいは神使的な存在ではないかとさえ思えてきます。
駅名「ひつか」の意味を考察
最大の謎は「ひつか」という駅名そのものであります。
「きさらぎ駅」が“鬼”に由来する「鬼駅」ではないかという説があるように、この「ひつか駅」にも何らかの意味が隠されているのではないかと考え、いくつかの当て字を試みます。
日塚(ひつか)
「日」=太陽、光、時間、「塚」=墓、古墳、魂の眠る場所
日の当たらない、あるいは時間が止まった“霊的境界地”を暗示している可能性。
火使(ひつか)
「火」=魂や命の象徴、「使」=神使、媒介する者
世界の境界に立つ“異界の使い”としての駅、または少女の正体を示す言葉。
必過(ひつか)
「必」ず「通過」しなければならない場所。分岐点や通過点を意味し、 生と死の間。
あるいは時間の流れの狭間を示すメタファーとも読める。
いずれも確定的な意味は不明ですが、名付けに込められた“意味不明”こそが、恐怖や神秘を際立たせているように感じます。
「ひつか駅」が語る事
現実から異界に迷い込み、人知を超えた案内人が現れ、一度目は“帰還”が可能だが、二度目は保証されないという警告。こうした要素は、昔話や民話の影響を色濃く受けているでしょう。
しかし、描写に具体性が乏しい分、読者に強い“余白”を与え、誰もが「もしかすると、自分も…」と想像してしまうほどです。
そして何より気になるのは、少女が言い残した言葉「次はもう戻れない。来たら“烏なんたら様”を頼れ」。
“烏”とは何か。“なんたら様”の正体は?
再びひつか駅を訪れてしまったら、その時は何が起きるのか。
これは、次の話への“伏線”だったのではないかと思いますが、そのあとの物語が書き込まれることはありませんでした。
いずれにしましても「ひつか駅」が実在する駅ではないのは確かです。
ですが都市伝説というフィルターを通すと、それは単なる創作にとどまらず、「私たちが触れてはいけない世界」の存在をほのめかしているようにも思えます。
知らぬ間に、見慣れた車窓から見える景色が白一色になっていたら・・・。
そのときあなたは・・・・「ひつか駅」に足を踏み入れてしまっているのかもしれません。
※画像はイメージです。
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