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トラウマ絵本「じごくのそうべえ」

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地獄が舞台の奇想天外な物語。それが「じごくのそうべえ」です。落語を元にした絵本なので、とにかく面白おかしい内容のはず、なのですが…小さい頃に読んだときは、かなり強烈でトラウマになりました。

目次

死後の世界が描かれた絵本

物語は、主人公のそうべえが死んでしまうところから始まります。

そうべえは軽業師でしたが、綱渡りに失敗して落下。気がついたときには死後の世界にいるという具合です。

死後の世界で道を歩いていたそうべえは、歯抜き師のしかい、医者のちくあん、山伏のふっかいとともに、通りかかった火の車に乗り、三途の川へまっしぐら。

そこには「しょうずか(三途河)のばあさん」と呼ばれる、死者の着物をはぎ取る老婆の鬼がいます。ふんどしだけにされてしまったそうべえたちは、舟で三途の川を渡り、閻魔大王の元へつれて行かれました。

他の者たちが極楽へ送られる中、そうべえたち四人だけは地獄へ落とされることに。そこでは、糞尿地獄に放り込まれたり、じんどんき(人呑鬼)に吞み込まれたり、他にも熱湯の釜や針の山へつれて行かれるのですが…。

それぞれの特技を生かして、そうべえたちはこれを乗り越えてしまうのです。呆れた閻魔大王によって、そうべえたちは、地獄から追い出された、つまり生き返ったというお話です。

目に焼き付く地獄の風景

地獄といえば、恐ろしいところというイメージ。その地獄が舞台というだけで異質なものを感じますが、まず表紙からして強烈な印象を残します。画面いっぱいに赤く燃え盛る炎。それも鮮やかな赤ではなく、どす黒い赤。そこに棍棒や三又の槍を持った鬼がいるのですから、怖い絵柄です。

そう、とにかく、絵が恐ろしい。深いシワの刻まれた顔に飛び出しそうな目玉の鬼たちもさることながら、裸にされ、閻魔大王の前につれて行かれる人々の恐怖に歪んだ表情が恐怖をかきたてるのです。それに、熱湯の釜や針の山なんて、考えただけでも震えあがってしまいます。

怖いだけじゃない面白さの理由

「じごくのそうべえ」は、上方落語の名作「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」が題材になっているそうです。おとなになって読み返してみると、なるほど、そうべえたちの活躍は小気味よく、リズミカルな関西弁で書かれているので、怖さの中にも面白さが際立っているのがわかりました。

今でも子どもたちに大人気のロングセラーで、シリーズ化されているのも納得です。読み聞かせに活用したら、子どもたちの笑いを誘うこと間違いありませんね。中には、私のようにトラウマになってしまう子もいるかも知れませんが…。

(C)「じごくのそうべえ」桂米朝・上方落語・地獄八景より 田島征彦 童心社

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