私の住んでいる中部地方の山間部には、およそ地域住民にしか伝わっていないと思われる、人肉屋という噂があります。
由来
それは獣肉食に対する忌避感が薄くなる前の時代、山村では獣肉は貴重なたんぱく質として食べられていて、それを取引する肉屋があったというのです。
しかし野生のものですから、いつでも獲れるわけではありません。
飢饉が起きた年、山の獣たちも食べるものがなかったのか獣肉も取れなくなっていき、ついには肉が尽きてしまいます。そこで肉屋の主人は獣ではなく、街道を通る旅人を襲って肉として売るようになったのが、人肉屋の始まりだそうです。
食べ物が少ない時でも肉を売っていると、人肉屋は近隣の集落に噂が伝わり、多くの人が肉を求めて訪れるようになりました。もちろん人肉とも知らず、ほかの肉屋では味わえないと通う人もいた程だったとか。
衰退
そうしているうちに、旅人の間で、あの街道を通ると神隠しにあうと噂がが立ち初め、そこを通る旅人は減ってしまいました。
肉屋の主人は困ってしまい、家族に手をかけ、村人をも襲い始めるのですが、すぐにバレてしまった。
人肉屋の話として伝わっているのはここまでで、村人に見つかった人肉屋は殺されたのか、逃げ延びたのか?
最後はどうなったのかまではわかっていません。
ただ、人肉屋といわれる建物が昭和が終わる頃まで残っていたことだけは事実です。
人肉屋
人肉屋は街道沿からすこし外れた場所にある古い木造の家で、戦後には住む場所がなかった老人が住んでいたそうです。老人が亡くなった後は、みんな気味悪がって手を付けず、何年もずっとそのままに残されていました。
心霊スポットと言われだして、噂を聞きつけて遠くから見に来た人が建物中で急死したとか、帰りに事故に遭って死んだとか、そういう話が尽きなかったのを覚えています。
近所の人たちの間では関わると不幸になるという話が伝わっており、近寄ることはおろか、写真に収めることはありませんでした。
最近になってようやく解体されて更地になったのですが、今でも建物があった場所を掘ると埋めていた骨がでてくると噂があります。
真相は解りませんが、恐ろしい話である事は間違いありません。
※画像はイメージです。
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