前世から繋がりのある人物と現世でも付き合いがあることを、俗に「腐れ縁」と言いますが、私にもそういう友人が何人かいます。
そのうちの一人とはかなり長い付き合いがあるようで、現世は言うに及ばず、過去世で何度も何度も出会っているようです。彼女との間には「へぇぇ」と感嘆したくなるようなエピソードがいくつもあるのですが、今回そのうちの一つをご紹介させていただきます。
過去世の一つ
出会った過去世は複数ですがわりと印象的で、記憶がはっきり(かなり断片的ですが)しているのは戦国時代に生きていた時のことです。
私は裏街道まっしぐらの怪しげな人物で、彼女(当時は男)は武家に婿入りした武者でした。
見目がよかったため、お稚児さんのような扱いを受けたこともあったそうなんですが、彼女自身がそれを武器にしていた部分もあり、気に入った武将をちょっとからかって遊んでいたこともあったそうです。
で、彼女曰く、「けど、やっぱり嫌な感じの男はいたのよね。ホント、物騒だったわ、あの顔に傷のある男」 と。そう言われたとたん、いきなり思い出しましたよ。その男の顔を・・・。
「そいつ、知ってる。がりがりに痩せてぎすぎすした感じの奴でしょ?」
気が付いたら、そう言い放っておりました。彼女は、ちょっと驚いた風ではあったんですが、
「そうそう、そいつ!」
と、頷いてくれました。はっきり言って、私自身驚いておりました。450年も前の記憶の断片がいきなり蘇ったわけですから。自分で言っておきながら、内心かなり戸惑っておりました。
こりゃ小説のいいネタ
しかし、面白い。こりゃ小説のいいネタになるわ、と思いまして、当時「戦国BASARA」にハマっていたこともあって、ちょいちょいと短編小説にまとめて同人誌に載せました。傷のある男ですが、名無しではまずいな、ということで、ウィキペディアを調べまして、当時私らが関わっていた戦国武将の家臣団の中から、それらしい奴を適当に選んで名字だけ借りることにしました。
出来上がった短編小説では、この武将がやたらと血に飢えた異常者のようになってしまいましたが、恐ろしいほど剣の腕は立つということにしておきました。
彼女にはネタ提供ありがという意味も込めて、刷り上がった同人誌を進呈したのですが、後日、感想とともにメールが送られて参りました。驚いたことに、適当に選んだはずの名字がビンゴでした。
「そう、こいつの名字は〇〇! よく判ったね」
いや、確信していたわけじゃないんだけど、と弁解しようとしてやめました。ここまで来たら、これも天のお導きでしょう。この世に偶然というものは存在しない。全て必然なのだ、と「霊界物語」にも書かれていることだし・・・。
この傷の男
ついでながら、この傷の男、本当にやばい奴だったようで、気難しくて何を考えているのかよく判らないし、無口すぎて殆ど声も聞いたことがないというくらいでした。そういう態度が不愉快だったのか、単に暇つぶしだったのか、彼女(当時は男!)はすり寄る素振りを見せてちょっとからかったんですね。
その様子を見ていた私(当時は裏家業の男)が慌てて引き剥がし、彼女(しつこいけど、当時は男)にお説教をしたそうです。
「あいつはマジで危ない奴なんだから、迂闊に近づくんじゃない。振り返りざまに斬り捨てられても知らんぞ」
と。今でいうところの、サイコパスのような奴だったようです。気に入らなければ斬る、邪魔をするなら斬る、という感じですね。
短編小説の中では、主人公を追って関所破りをしたせいでお尋ね者となり、秘密裏に処断されたという結末にしておきましたが、実際のところは史料に乏しく、〇〇氏がどういう最期を迎えたのかは定かではありません。
しかし、彼女とはこういう記憶の一致が時々あるので、スピ系にどっぷりの身としては大変興味深いことこの上なく、ありがたいことだと思っております。
※画像はイメージです。
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