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火鼠から始まるネズミの伝承!

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私事ではありますが、このあいだ「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」を見てきました。
前作の唐傘よりも話がスッキリしており、とても面白かったです。
そんなお話を盛り上げてくれたのはやはり火鼠でしょう。

購入したパンフレットによれば、登場させるモノノ怪についてかなり試行錯誤したようですが、そもそも鼠の妖怪(幻獣)というのはなんだか珍しい気がします。
そこでネズミに関するトリビア、ネズミにまつわる俗信やネズミな妖怪などについて調べてみました!

目次

そもそも火鼠ってなんぞや?

そもそも火鼠とは古代中国から言い伝えられている怪物の一種です。
南方の火山、その山に生えている不尽木という焼けても壊れない樹木を住処にしていたとか。その毛皮は火に焼けることがないため、火鼠の毛を用いて作られた布は「火浣布」と呼ばれていました。
現代では火鼠とは石綿だったのでは?というのが通説です。
(ちなみにですが火浣布は火で汚れを落とすことができたと言い伝えられています)

日本で火鼠といったらかぐや姫!

そんな火鼠は日本では竹取物語で有名ですね。
竹から生まれたという美しいかぐや姫に求婚した5人の貴公子たちに、かぐや姫は「世にも珍しい宝を持ってきた者と結婚に応じる」と言って難題を与えたエピソードがあります。

その難題となった宝のなかに火鼠の皮衣があり、物語ではその皮衣は決して火に燃えず、元のままでいられると言われていました。
この宝を持ってくるようにと指示されたのは右大臣・阿倍御主人という貴公子で、彼は大金を支払って唐の商人から皮衣を購入したものの、真贋を確かめるためにかぐや姫が火に入れたところ、燃えてしまいます。

偽物だと突きつけられた阿倍御主人が、そのあと人々からやり遂げられなかったことにかけて「あえなく」と呼ばれるようになったとか。
なんだか風刺めいていますね。

鼠の妖怪について教えて!

日本では鼠の妖怪といえば。

旧鼠

秋田県(もしくは山形県)の妖怪。
いわゆる長く生きた大鼠だが、ある厩舎にすみ着いたところ、そこで暮らしていた雌猫と仲良くなり、いっしょに暮らしていた。
けれど雌猫は死んでしまい、残された子供たちの面倒をしたという。
(ただし文献や他県の言い伝えによっては厩舎ですみ着いた旧鼠ではないものの、ネコと仲が悪く、噛みついて殺したという記述もある)

鉄鼠

平安時代中期の僧侶・頼豪の怨霊とネズミがまざった妖怪。
平家物語によれば白河天皇に頼まれて皇子が生まれるように祈祷したまでは良かったものの、褒美として願った戒壇院の創設はかなえられなかった。

というのも当時、戒壇院とは力を持った寺にしか許されないもので、頼豪がいた寺は延暦寺とは敵対関係だった。
これにより延暦寺から横やりが入ってしまい、頼豪の願いはかなわなかったのである。
自分の願いをなかったことにされた頼豪は怒り狂い、その怨念は皇子の命を奪ったばかりか、8万4千匹の鼠となって延暦寺を荒らしたと言い伝えられている。

などが広く伝えられていると思います。

さまざまなネズミの俗信

では俗信ではどうか?というと1番目立つのは火事絡みでした。

  • ネズミがいなくなると火事になる
  • ネズミがいると火事にならない
  • ネズミが川をわたるときはその方面に火事がある

といったように真っ先にネズミと火事は関連付けられていました。
他には、

  • ネズミが食べたものを人が食べると歯が強くなる
  • 家の中で傘を差せばネズミが荒れる
  • ネズミが多い家は繁盛する

などネズミの扱いや日頃の行動によってネズミが福を授けたり、災いをもたらしたりなど禍福を与える存在として考えられていたようです。

傘=ネズミ=ヘビの食物連鎖

ところでモノノ怪にかかった記録を発見しました。
というのも実はネズミと唐傘にはある関係があったのです。
なんでも唐傘に使われているコンニャク玉からつくられた糊と傘紙に用いられる油は前者はネズミの嫌いなもので、後者は大好物だそうです。

もしも唐傘にかじるネズミがいたら、そいつはとんでもなく元気なネズミだと考えられていたとか。
偶然かもしれませんが、劇場版モノノ怪に登場するモノノ怪たちはある意味、食物連鎖が成立しているのかもしれません。(ヘビは最後の3部目で登場する予定ですし)

結局ネズミは庶民にとって何なの?

何事にも一長一短はありますが、それはネズミも例外ではないでしょう。
今回調べた資料ではネズミは火難避けの生き物としてのイメージがありますが、同時に強い恨みを持つ妖怪としても広く知られていますね。
ずいぶん昔にネズミと僧侶が結びつけられるのはネズミが経文を食い荒らすためという記述を見たことがあります。

ただこれは歴史的に見たら浅いほうではないでしょうか。
本来のネズミのイメージは童話・おむすびころりんといった鼠浄土のように異界の住人のほうが古く、また起源に近い気がします。(根拠はないんですがね汗)
結局のところ、庶民にとってのネズミとは親しいようで別格な存在といったところでしょうか。

火鼠とネズミと

鼠の怪物である火鼠はもともと中国に伝わっていました。
日本では火鼠といったら竹取物語が有名で、怪物というよりは宝物のイメージがありますね。

日本でネズミの怪物もとい妖怪といえば旧鼠や鉄鼠が代表的ではあるものの、俗信となると火事絡みのジンクスが多いです。
ネズミと火の関係性を意外なところで見つけ、目からうろこな気分です。

出典・引用
「日本俗信辞典 動物編」鈴木棠三
鼠の妖怪もいっぱいいる中国の鼠の妖怪特集
竹取物語『火鼠の皮衣』わかりやすい現代語訳・解説 / 古文 by 走るメロス |マナペディア|
令和妖怪辞典|妖怪 旧鼠
鉄鼠 (てっそ)とは【ピクシブ百科事典】
Wikipedia 旧鼠・鉄鼠

最近あんこが入っている食べ物にハマっています。どら焼き、羊羹、あんぱん等々。でも食べると太るんで罪悪感もハンパないです。

featured image:Terajima Ryōan (寺島良安), Public domain, via Wikimedia Commons

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