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鳴り響くケータイは誰から?

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家庭を持ち子宝にも恵まれ、人並みに幸せな暮らしを送っています。
幼少期から育った実家は車で15分ほどと近いこともあり、よく家族で家に帰り、母の手料理をつまみに家族皆でお酒を飲むことが好きです。

僕が幼少期の頃、父と仕事人間だったので話をする事はありませんでしたが、大人になってからお酒を飲んで冗談を言い合ったり、仕事の話で熱く語り合うような関係になりました。
お互いにお酒が好きだということが大きかったかも知れません。

目次

父の発言

12年も前のこと、10月なのに外に出ると日差しが強く汗ばむような陽気。
庭がだいぶ古びてきたので、芝を貼り替えたいと父から呼び出されましたのです。

その日はみんなで汗だくになりながら庭仕事をし、手伝ったお礼ということで母が手料理を振る舞ってくれました。
父と私は時間のある限りお酒を酌み交わしていましたが、何か様子が変で「俺が死んだらかーちゃんを頼むな」とか、「奥さんや子どもたち、奥さんの親も大事にしてやれ」などと・・・いつにないことを言います。

極め付けは「俺が死んだ時はお前が喪主をやれ。葬式は簡単に家族葬にしろ。」なんて言う始末。
「何言ってんだ!まだまだ死にそうにないくせに」なんて笑いあって、その日は帰りました。

次の日も庭仕事を手伝うために支度をしていると、母から電話があり「早く来て!お父さんが倒れた!!」とパニック状態。車を飛ばして実家に行くと、泣きじゃくる妹だけがいて言葉も話せない。
どうやら父と母は救急車で搬送されていた。
すぐに車で追いかけましたが、私たちが病院に着く頃にはもう息を引き取ったあとでした。
大動脈解離という病気で、心臓近くの太い血管が裂けて手の施しようがなかったようです。

昨日は一緒にお酒を飲んであんなに元気だったのに信じられません。
母も私もそんな病気の兆候は一切感じませんでしたが、虫の知らせでしょうか、本人には何かしら感じるところがあり、あんなことを言っていたのかと思います。

不思議な事が起きる日々

私は父の言いつけ通り喪主として葬儀を取り仕切ることになり、連日、実家で寝泊まりをしてると不思議なことが起こりはじめます。

皆が寝静まった真夜中、寝苦しさを感じて目が覚めると金縛りで身動きがとれません。
寝室に近づいてくる足跡、扉がスススっとゆっくり静かに開く音が聞こえます。
母は隣で寝ているし、こんな夜中に寝室に来る人はいない、怖くなって助けを呼ぼうとしても声も出ない。

明らかに自分の方に近づいてきて、足音に混じって聞こえるかどうかの小さな声で何かブツブツと喋ってるのが聞こえ、もうダメだと思った途端にフっと消えました。
なんだったんだろう?
汗だくになりながら、疲れてるから気のせいだろうと、あまり考えないようにしていましたが葬式の日まで毎晩続いたのです。

着メロと表示された名前は・・・・

そして葬式の日の朝、バタバタとみんな慌ただしく準備をしていると、リビングでコブクロの「桜」の着メロが流れます。
「誰かケータイ鳴ってるよー」と妹の声。
みんな自分じゃないよ・・・と反応した時、自分のケータイを握りしめて母が泣き崩れました。

「お父さんだよ!」と母は大きな声を出し、着信に「おとうさん」と表示されています。
「え?どういうことだ?」と父のケータイを取り出して見ると、電話をかけた形跡も何もありませんが、なぜか「おとうさん」からの着信表示と共に着メロが流れ続けるのです。

母はみんなが見守る中、すこし震えながら通話ボタンを押すのですが、何も反応しません。
ただメロディが流れるのを呆然と聞き、母だけは泣きじゃくり続けました。

しばらくしてメロディは鳴り止み、何事もなかったかのようにケータイを操作することができるようなると、着信履歴には”おとうさん”なんて表示はなく、そもそもコブクロの「桜」も着メロ登録されていません。

父からのお別れ

葬儀が終わってからもしばらくは、「おとうさん」から着信があると思い、母はケータイを肌身離さず持っていましたがそれきりでした。
それに金縛りにあうことや深夜の足音が聞こえることも無くなりました。

あとから知ったのですが、家族全員が同じ体験をしていたようで、父がそれぞれに最期のお別れに来たのだと思えてなりません。
嘘みたいな話ですが、本当にあった不思議な話です。

※画像はイメージです。

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