私の母校の県立高校、元々はお城だった土地に建てられたといわれ、学校全体が心霊スポットになっています。
奇妙な噂がたくさんあるなかで、特に恐ろしいと思ったのは、特別教室棟のある場所はお城の処刑場だったらしく、供養に毎年決まった時期になると、学校にお祓いの人が来るそうです。
これは、僕が在学中に体験した不思議な話です。
古井戸を覗くと
高校二年になった時、老朽化で校舎を補修するという事で教室が使えなくなり、校庭の端っこに建てられたプレハブ教室に移動になりました。
そのプレハブ教室の隣には古井戸があり、昼休みに部活も一緒で仲の良い友達が「なにがあるのか、古井戸を覗いてみよう」と言い出しました。
僕は先輩が「お白だった頃、敵対する軍勢の捕虜たちを処刑し、井戸に遺体を捨てた。古井戸を覗くと無念に思った幽霊たちに魂を持っていかれる。」
「それで一人、同級生が学校に来なくなった」と話していたのを思い出して反対しますが、彼は好奇心がとても強い事もあってでしょう、「そんな事は嘘に決まっている」と全く話を信じません。
しかたなく二人で井戸に近づいてコンクリートの蓋をこじあけると、僕は背筋が凍るような感覚がして鳥肌が立ちました。霊感など全くないという彼も「なんかやばい気がする」と言いながらも、恐る恐る覗き込むと、「何もないやん」と一言。
でも僕はどうにも覗き込む気になれず、その場を後にしました。
影をみた
放課後になり、私とその友達は演劇部に入っているので特別教室棟にある部室に行ったのです。
いつものように稽古をしていると、突然扉の前を人が通り過ぎたような影が見えたのですが、特別教室棟は学校の外れにあるので、普段は部位以外だれも来ることはありません。
他の部員たちも気がついたようですが、例の彼が「誰か見てくる」と部室を出ていきました。
それから間もなく「ギャー」という大きな悲鳴と共にドサリという音がしたので、なにが起きたのか?とそこにいた全員で廊下に出てみると、そこには彼が倒れています。
「どうしたん?」みんなが寄っていくと、「なんか突然く持ち悪くなって……帰るわ」と一言いって、そそくさと帰ってしまいました。
そして翌日から学校に来なくなったのです。
彼になにがおきたのか?
数日後、心配になって彼の家にいってみました。
するとたった数日なのに、まるで別人のようにヤツレていました。
それが彼と会った最後で、両親の転勤という事で居なくなってしまったのです。
それも友人たちや学校も行き先は知りません。
※画像はイメージです。
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