大人から子供まで幅広い世代を魅了し、マニアも多い特撮ヒーロー。子供のころ熱中し、思い入れが強いヒーローがいる人も多いのでは?
今回ご紹介する『怪人開発部の黒井津さん』も、特撮ワールドを描いたTVアニメだ。ただし、本作のメインはヒーローではなく悪の組織。普段は『やられ役』として毎回撃退される悪の怪人たちがどんなストーリーを紡ぐのか。さっそくその魅力に迫ってみよう。
真の敵はプレゼン?汗と涙の怪人開発お仕事物語!
今回取り上げるアニメ『怪人開発部の黒井津さん』はその名の通り正義と悪が戦いを繰り広げる世界が舞台。そんな光と闇の戦いに欠かせない存在「怪人」を生み出す「開発部」で、主人公が奮闘する様を描いた作品だ。
といっても内容は現代のサラリーマンをモチーフにしたコメディで、怪人開発というワードからイメージされるおどろおどろしさはゼロ。代わりにプレゼンで悪の大幹部に詰められたり、ボスの無茶振りでプロジェクトの方針が変わったり、怪人開発の予算がしょっぱかったりと、現実世界のお仕事あるあるがふんだんに取り入れられた仕上がりとなっている。
作中で発生するイベントも、出張や会議にはじまり、極めつけは飲み会と、社会人なら一度は経験するものばかり。もちろん舞台は悪の組織なので、参加しているのはもちろんその幹部連中なのだが、このあたりは働く大人なら笑いながらも共感できるはず。また、コメディに振りながらも黒井津さんの怪人開発に賭ける熱意は本物で、悪の組織とわかりつつ応援したくなるシナリオでもある。
あるあるを楽しみながら主人公もきちんと応援できる。『怪人開発部の黒井津さん』は働く大人こそ楽しめる特撮アニメと言えるだろう。
正義の味方を倒す簡単なお仕事だけじゃない!『黒井津さん』ワールドには特撮小ネタがいっぱい!
悪の組織での怪人開発をモチーフに、お仕事の悲喜こもごもと主人公の奮闘を描いたアニメ『怪人開発部の黒井津さん』。本作の軸は働く大人こそ共感できるストーリーにあるが、一方で作中の特撮要素も見逃せない。悪の組織サイド、正義サイドともにかなり作り込まれていて見ごたえがある。例えば主人公らと対立するヒーロー超人ブレイダーのデザイン。
既存のヒーローを彷彿とさせつつ、絶妙にキャラ被りを避けたキャラデザは秀逸。特に変身ベルトや武器のデザインは『こういうおもちゃ見たことあるような……?』と錯覚するほどの作り込みには圧倒される人も多いのではないだろうか。
本作はコメディだからといって、「特撮」に関わる要素に手抜きはない。この手抜きのなさが本作がインパクト重視のコメディでありながらも、出オチで終わらない見応えある作品になっている理由と言えそうだ。また、本作には細かい往年の特撮ヒーローネタが散りばめられていたり、コラボで実在のご当地ヒーローが登場したりと、そのあたりでもぬかりがない。自信がある人は観ながらどこまでネタを拾えるか試してみてもよさそうだ。アニメ『怪人開発部の黒井津さん』は特撮好きにとっても嬉しい要素たっぷりの作品なのだ。
働く大人こそ楽しめる特撮お仕事コメディ
ご覧いただいたように、今回取り上げた『怪人開発部の黒井津さん』は、働く大人こそ楽しめる特撮お仕事コメディだ。
お仕事あるあると特撮ネタの兼ね合いが絶妙なので、昔特撮ヒーローを楽しんでいた大人はもちろん、今でも特撮が大好きな大人ならより楽しめる。
1話のテンポがいいので軽く見られるのもありがたい。サクッと観られるアニメを探している人、特撮と聞いて興味が湧いた人はぜひ一度試してみてはいかがだろうか。

怪人開発部の黒井津さん (C) 水崎弘明・COMICメテオ / 「怪人開発部の黒井津さん 」 製作委員会
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