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スウェーデンからきたクトゥルフ神話モチーフTRPG「Kutulu(クトゥルー)」とは?

2021年4月27日、新たな「クトゥルフ神話」を題材に取り扱ったTRPGが日本に上陸しました。ミカエル・バリストレム著のスウェーデン産TRPG「Kutulu(クトゥルー)」。

DLsiteによるPDF版のみの異例の発売形態ながら、わずか2週間余りで販売部数は2000部を突破しました。今回は、この「Kutulu(以下、「クトゥルー」 )」にのシステムの特徴について解説していきます。

“Kutulu” is available under the CC-BY 4.0 International license; therefore, anyone is free to create, copy and add to it as long as they follow the legal norms of that license. “Kutulu Japanese language version” is copyright 2022 by viviON ; all rights reserved. Planning by FrogGames. Published by viviON.
目次

判定ダイスを振ることが非常に少ない

「クトゥルー」のキャラクターが持つ技能には「アクティブ技能」「パッシブ技能」「専門分野」の3つのカテゴリが存在します。「アクティブ技能」は他の多くのTRPGシステムと同様に追いかけてくる怪物から逃げられるかどうかなど、成功するかわからないときにダイスを振って判定を行いますが、特徴的なのは「パッシブ技能」と「専門分野」です。

パッシブ技能は交渉力や経済力、プレイヤーキャラクターの人としての評判などを表します、専門分野はそのキャラクターが持っている知識を表します。ですがこの2つ、なんとダイスを振りません。
ではどうやって判定するのかというと、キャラクターシートに書き込まれた技能レベルのみを参照し、それに応じてGMが情報を提示する形をとります。例えば「医学」という専門分野があるが、医学の専門分野の技能レベルが1あれば、「このキャラクターは医学にある程度詳しいからこの情報がわかる」として、GMが情報を渡してくれます。

今どれくらい狂気に陥っているか、誰もわからない

「クトゥルフ神話TRPG」には正気度があり、「トレイル・オブ・クトゥルー」には安定度(精神的ショックを受けたときに減る)と正気度(クトゥルフ神話に対する理解度を表す)がという数値がある。これらはいずれもプレイヤーが管理します。 これに対し「クトゥルー」は狂気の度合いを「幻覚とその受容段階」というもので処理します。

 例えば、プレイヤーキャラクターがクトゥルフ神話に出てくる生物と遭遇するなど、初めは脳が処理できず、「否認」という形で現れます。それは「昼間に公園に来たはずなのに、いつの間にか夜になっていた」など、その間の記憶が飛ぶと言った形で表現されます。

その後、神話的生物を夢に見たり、起きていても幻覚を見るようになるなど、どんどんプレイヤーキャラクターは正気を失って狂気の世界に入り込んでしいますが、どれくらいプレイヤーキャラクターが正気を失って、幻覚を見ているか(そしておぞましい神話的事象を正しく見てしまっているか)はGMが管理し、キャラクターはおろかプレイヤーにも開示されません。

現実をどこまで正しく認識しているか、プレイヤーはGMの描写から推測するしかないのです。神話的存在に触れれば触れるほど、PCは狂気に侵されていき、幻覚を見続け、結果的に周囲からすれば異常な行動をとるのだが、プレイヤーもキャラクターも、そんな異常な行動をしているとは認識できない。

GMの描写が必ずしも真実とは限らない

「クトゥルー」はGMが「信頼できない語り手」となるのも特徴です。
通常、TRPGにおいてゲームマスターは(時として判定に成功する必要はあるものの)現在の状況を正確に描写する。しかし、「クトゥルー」ではゲームマスターはあくまでPCが何を知覚しているかを説明・描写するだけで、必ずしも事実を描写しているわけではありません。

なにしろ「クトゥルフ神話TRPG」における目星や聞き耳といった、周囲の状況を把握するための技能が存在しなませんから、周囲の状況を正確に把握できないのです。必然的にGMの描写を頼りに状況を把握するしかありませんが、その描写がどこまで現実で、どこまで現実かはプレイヤーにもわからないのです。現実と幻覚のあいだを漂いながらセッションを進めることになります。

実際に遊んだ感想

先日、実際に「クトゥルー」を遊んでみました。
導入こそ、他のTRPGと同じように進行していきますが、シナリオが進めば進むほど、GM情報があまりに不確かで、時として矛盾して意味不明な描写が挿入されるようになります(例、夜のように真っ黒な生物で腹部からは内臓が透けて見える、など)。

矛盾した情報を連続で与えられた結果プレイヤーの脳内での処理が追いつかず、例えるなら「五感の一部をちぎり取られたような感覚」になります。結果として、ロールプレイと描写の意味を考えることに集中するようになりますが、これが非常に没入感を高めてくれるのに役立ちます。ロールプレイの流れを止めてダイスを振って我に返ることも、基本的にはありません。ダイスを振るのは本当に成功するかわからない、能動的な行動をする時だけです。

本当にルールが軽く、プレイヤー側で処理をすることがほぼないので、マーダーミステリーでよく言われるような没入感の高い体験をしたい方や、ゲーム的な処理よりホラーの感覚をたっぷりと味わいたい方におすすめのTRPGだと言えるでしょう。

プレイしてみたいと思ったら

プレイ感覚がわからない、事前にどんな風に遊ぶのか見てみたい・・・という場合はすでに何人かの配信者がプレイの様子をライブ配信しているので、まずはそれを見てから判断しても良いでしょう。

少しでも遊んでみたい、と思ったらぜひ、ルールブックを買ってみたり、SNS上で募集されている「クトゥルー」の募集に応募したりしてみるのはいかがでしょうか。

“Kutulu” is available under the CC-BY 4.0 International license; therefore, anyone is free to create, copy and add to it as long as they follow the legal norms of that license. “Kutulu Japanese language version” is copyright 2022 by viviON ; all rights reserved. Planning by FrogGames. Published by viviON.

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