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空飛ぶ怪物VS戦闘機!バトル漫画「夜光雲のサリッサ」

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地球で最も高く宇宙に近い場所、成層圏。人類が宇宙に進出した現在でも神秘さをたたえる成層圏は、人類最後の秘境と呼べるかもしれない。今回ご紹介する漫画『夜光雲のサリッサ』(原作: 松田未来 漫画: ※kome)は、そんな成層圏を舞台に正体不明の怪獣「天翔類」と人類の戦いを描くSF漫画だ。

「怪獣」というオーソドックスな題材を取り扱いながら戦闘機や異能力などをここに掛け合わせ、他にない味わいを醸しだしている本作。今回はその魅力を深掘りしてみよう。

目次

人類vs空飛ぶ怪獣?人類の存亡を賭けた戦いの行方

人類最後の秘境、宇宙と地球の狭間「成層圏」、そんな神秘的な成層圏からやってくる存在「天翔体」。これが本作『夜光雲のサリッサ』で、人類を脅かす怪獣だ。
成層圏で見られる神秘的な雲の中からやってくる彼らは、名前の美しさとは裏腹に禍々しい外見を持ち、航空機など人類と遭遇すればそれを襲う。
これに対抗すべく人類は、国を超えた対天翔体組織IOSSを組織。対天翔体にカスタムした戦闘機を用いてギリギリ彼らと戦っている。これが本作の基本設定だ。人智を超越した厄災である怪獣と、持てる力で対抗する人類。

まあ、かなりオーソドックスなテーマでもある。だが、本作ではそんな怪獣vs人類のオーソドックスな構造に、「異能力の子供達」をプラス。そう、本作は怪獣と人類の戦いを描く物語であると同時に、「ファイアボール」と呼ばれる異能力者たちの物語でもあり、二つのテーマが混じり合う形となっている。

主人公、隠忍もまた異能力者「ファイアボール」たちのひとり。人間含むありとあらゆる生物・存在から「認識されなくなる」能力のため、幼少期から孤独に過ごしてきたが、IOSSによって半ば強引にスカウトされ、人類の存亡を賭けた戦いに巻き込まれていくことなるキャラクターだ。

そんな忍の相棒となるのが、成層圏仕様の戦闘機「青雷」のパイロットダンク。高い操縦技術を持ちながら非常に穏やかな性格で、突然怪獣との戦いに放り込まれた忍にも優しく接する。また、忍を認識できる数少ない存在でもあり、忍にとってはかけがえない人物となるキャラクターでもある。ダンクが操る戦闘機の複座に忍が乗り、自らの「認識されなくなる」能力を使って戦闘機を隠し、敵の懐に入って攻撃する、それが本作における戦闘のメイン。

力をコントロールできさえすれば、視界はおろかレーダーからも消える忍の能力は「天翔体」にも有効。そこで敵の懐深く、ギリギリまで接近しミサイルをぶち込む……そんな大胆不適な戦法で二人は強大な敵に立ち向かっていく。この成層圏での戦闘シーンはシンプルな筆致ながら迫力たっぷり。本作一番の見どころだ。

一方、主人公たち「ファイアボール」たちの人間ドラマも見逃せない本作のポイント。「姿を消す」能力者の忍だけでなく、本作には「千里眼」「未来予知」など様々な能力とバックボーンがある「ファイアボール」たちが登場する。
中でもやはり、主人公忍と相棒ダンクの関係は、物語のもう一つの軸でもあり、本作を楽しむなら絶対に欠かせない要素。加えて、ダンクは自身の体にある秘密を抱えており、その秘密が本作でかなり大きな鍵となっている。ダンクの秘密と葛藤。そして、バディである忍がそれにどう向き合うのか、華麗な空戦と合わせて物語を楽しむ際はこちらにも注目してみると、より深くストーリーを味わえることだろう。

もう一つの主役!主人公の相棒戦闘機「青雷」

怪獣に異能を操る少年少女と見どころ満載のSF漫画『夜光雲のサリッサ』。そのもう一つの主役と言ってもいいのが戦闘機だ。本作は怪獣や異能力者などイマジネーションにあふれたストーリーが展開されるが、基本的に怪獣への対抗策は戦闘機プラス異能力による補助がメイン。いたってシンプルだ。
ストーリーが進むと「超兵器」や「スーパー異能力者」が出て来はするのだが、ここが本作の大きな魅力のひとつ。とは言っても本作に登場するのは、対怪獣そして成層圏戦闘に特化したスーパー戦闘機。

ここではそんな『夜光雲のサリッサ』もう一つの主役、主人公機「青雷」の魅力に迫ってみよう。「青雷」は本作のメインキャラのひとり、ダンクが登場する戦闘機。自衛隊のF2戦闘機をベースに成層圏やそのさらに上で戦えるよう様々な改造を施された、特別な戦闘機。
その改造は多岐にわたり、翼から外殻などの素材、キャノピー(マッハを超えると飛行機の表面温度は500℃にもおよぶ)、エンジンや兵装とほぼ元の機体を総とっかえしたと言っても過言ではないほど。しかし、そのどれもが成層圏に到達し、空を棲家とする天翔体に対抗する機動力と破壊力を手にするためにカスタムされたもの。

このあたりは公式から電子版で発売されている設定資料集に詳しいので、そちらを見てもらった方がはやいのたが、本作に登場する戦闘機は詳しく見れば見るほど架空の存在である「天翔体」への対抗を軸に練られて作られた飛行機だと感心させられる。もちろん、本作に登場する戦闘機は「青雷」だけではない。ダンクと忍の仲間たちが駆る機体も、実在の戦闘機をベースにしつつ、自由な発想とマニアックな考証の妙によって作られた魅力的なものばかり。
航空機マニアの人もそうでない人も、作品にチャレンジする際はぜひもう一人の主役、戦闘機にぜひ目を向けてほしい。

夜光雲のサリッサ

さて、今回ご紹介した漫画『夜光雲のサリッサ』は怪獣vs人類という比較的オーソドックスなテーマを扱いつつ、異能力者やイマジネーションあふれる架空機など、ロマンを掻き立てる要素がたくさん詰まった作品だ。秋の夜長にぜひ遠い成層圏に想いを馳せながら楽しんでみてはいかがだろうか。

著:松田未来, 著:※Kome
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(C) 夜光雲のサリッサ 徳間書店 松田未来 / ※kome

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