昔から様々な都市伝説が語られてきました。
子供の頃に、こうした類の話を信じて恐れた記憶がある人は多いことでしょう。
近年も、新しい都市伝説が日々生まれ続けています。
その中の1つが、今やライフラインの1つになったメッセージアプリのLINEにまつわる都市伝説です。
数々の奇妙な都市伝説
既に生活に欠かせない存在であるLINE。その身近さゆえか、様々な奇妙な都市伝説が存在します。
LINEわらし
LINEに関する都市伝説の代表格が、2015年から語られている「LINEわらし」です。
これは、「LINEグループにいつの間にか知らない人が入っている」という現象を主としています。
「誰かがグループに招待したのだろうと思って普通にやり取りをしていたが、グループメンバーの誰も、その人を知らなかった。その後、その人のアカウントは消えてしまった」というストーリーも付くこともあるようです。
名前から想像できるかもしれませんが、LINEわらしの根底にあるのは妖怪の座敷童だと考えられます。
「そっと紛れ込んでいる」という部分からも、福の神としてではなく、妖怪としての座敷童に通じるものがあると言えるでしょう。
LINEわらしが出ても「何か悪いことが起こる」といった類の怪異ではありません。
しかし、座敷童のように福をもたらすことはもちろんなく、そこはかとない不気味さが醸し出されませんか?
「友達に追加してはいけない」ID
LINEでメッセージのやり取りをするためには、電話番号やIDを知り、「友達に追加」という工程を経る必要があります。そのなかには「絶対に友達に追加してはいけない」IDが存在するという話があります。
IDにはいくつかの種類があり、追加した事によって起こる結果はそれぞれ異なります。
例えば、追加したあとルールに従ってやり取りをしなければ大きな災厄が降りかかるとされる「94251」というIDや、不気味なLINE電話がかかってくる「94253」というIDが有名です。
多くの話の中で守るべきルールがあったり、「死んだ人が使っていたIDだった」という理由付けがなされていたりすることが特徴で、ホラー色が強いと言えるでしょう。
作ってはいけないLINEグループ
LINEのグループに関すして、「シンデレラというグループを作ってはいけない」というものがあります。
「3人の女子学生がシンデレラという名前のグループラインを作り、それぞれがシンデレラと打ち込んだ。するとシンデレラと名乗る謎の人物がグループに参加して……」というのが基本的な話の流れ。
その後、シンデレラにお願いごとをした女子学生の身に不幸が降りかかります。
TikTokやYouTubeのショート動画をメインとして拡散された都市伝説のようで、文章で書かれたタイプの資料はほとんどありません。まさに、新時代の都市伝説と言えるでしょう。
デジタル文化と怪談の親和性、その歴史と構造
LINEの都市伝説は「LINE」というデジタル的で現実的なものと、怪異という非現実的なものが強く結びついているのが特徴です。LINEだからこそ成り立つ、LINEでなければ成り立たない前提の上に、どこかで見たことや聞いたことがあるような怪談が乗っかっているのです。
デジタル文化と怪談の融合。この一見釣り合わない組み合わせに、違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし意外と、怪談とデジタルは相性が良いのです。
平成に流行したチェーンメールを知っているでしょうか。これは、「不幸の手紙」のデジタル版とでも言うべきもので、必ず「〇〇人に回さないと不幸になる」といったような約束事がありました。「追加してはいけないID」にも、その類話と思しきものが見て取れます。
また、ホラー映画『リング』にもデジタル文化と怪談の融合が描かれています。テレビから這い出てくる貞子の現れ方、ビデオを媒介に呪いを拡散する様子などは、デジタル×怪談の原点的姿と言えるでしょう。
デジタル社会になり、人々はたくさんの情報を一気に手に入れることができるようになりました。今や、ほとんどの人が情報を手に入れるためのデジタル機器を手放すことができません。そして、貞子を原点とするデジタル×怪談は、身近なテクノロジーから怪異が「こちら側」に現れることが本質なのです。
怖い情報は、デジタルにのせやすいもの。スマートフォンを使えば、怖い文章や画像、ショート動画の拡散は容易です。また、デジタル機器やAIの発達により、誰でも情報の発信源になることができます。恐怖もまた情報の一種だとすれば、これから先、デジタル×怪談の事例はどんどん増えていくことでしょう。
LINEの都市伝説も、まだまだ発展途中かもしれません。もしかすると、「爆発的に拡散する貞子」的な都市伝説が生まれるかもしれませんよ。
都市伝説は日々アップデートされている
子供のころ、学校帰りの薄暗い道で思い出し怯えた経験。いざ怪異と出会ってしまったときのため、必死で対処法を覚えた記憶。聞かなければよいのに、怖いもの見たさで関連する都市伝説の話を読んでしまう……
都市伝説を含む怖い話は、人の興味を強く掻き立てます。そしてそれは、現在でも変わりません。むしろ、より試しやすく、より身近になってきていると言えるでしょう。LINEの都市伝説はその代表格で、コックリさんのように道具を用意する必要も、深夜に合わせ鏡をする必要もありません。ただ、LINEを起動すれば良いのです。
不幸の手紙やチェーンメールへと姿を変えたように、これまで、時代に応じて都市伝説は姿を変えてきました。そしてこれからも、まるでアップデートされているかのように変化を続けることでしょう。
怖い話が好きなら、その進化を追いかけてみるのも一興かもしれません。
※画像はイメージです。


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