偶然出会ってしまったメキシコ人の親子は犯罪組織カルテルから追われていた。
元海兵隊の男ジムは親子の母親から息子をシカゴへ送り届けて欲しいと頼まれます。
カルテルに追われながらシカゴを目指すロードムービー映画「マークスマン」を紹介しつつ、この作品でのミリタリー要素について紹介します。
ストーリー
アメリカのアリゾナ州に住むジムはメキシコとの国境地帯で国境を越えた母親と子供の親子と出会う。
その親子は犯罪組織であるカルテルから逃げていた。
カルテルは親子を追い、国境地帯に来てしまう。親子を引き渡せと要求するカルテルとジムの間で銃撃戦が起きる。
カルテルを撃退したものの、母親は銃撃が当たり亡くなってしまう。
母親は死ぬ間際にジムへ持っているお金の全てをあげるから、息子のミゲルをシカゴの親戚の所へ送って欲しいと頼みます。
ここからジムはカルテルに追われながら、アメリカを縦断してメキシコ人少年のミゲルを送り届ける旅が始まるのです。
元海兵隊員ジム
リーアム・二―ソン演じる主人公であるジムは元アメリカ海兵隊の兵士です。
しかも凄腕狙撃手と言う設定で、銃撃戦のアクション場面ではその強さを見せています。
その凄さはタイトルにもあります。
「マークスマン(原題:THE MARKSMAN)」のマークスマンは名射手と言う意味があります。
アメリカ軍では分隊で選抜または指名された射手をSDMと呼びます。このSDMは500m先へ命中させる訓練を三週間受けて修了した兵士を指します。
このSDMは射撃の能力が高いのは確かですが、狙撃手とは少し違います。
あくまで分隊のような部隊の中での射撃の名手である事を認められた兵士と言う存在なのです。
ジムの軍歴設定がマークスマンであるなら、そんな能力の高い兵士だったと言う事になります。
M14小銃
ジムは作中において、M14を使い続けています。
このM14は1957年に第二次世界大戦でアメリカ軍が使用したM1ガーランド小銃に代わる小銃として採用された銃です。
とはいえ、M1を自動小銃として改造したと言えるM14はベトナム戦争では長所である長射程、7.62ミリの銃弾を使用する大口径の火力はジャングルでの近い距離の戦闘では生かしきれませんでした。
その為にアメリカ軍の小銃はM16に替えられてしまいます。
しかし、M14はその射程が長い事と、口径の大きい銃弾を使う特徴が狙撃銃として生かされました。映画「マークスマン」でジムが銃砲店でもM14をあえて買ったのはそうした実戦経験で使い慣れていたからかもしれません。
そもそもM14は「マークスマンライフル」と言う位置づけもあり、映画のタイトルはむしろこのM14からかもしれません。
M14は7.62ミリ弾が20発入る弾倉を装着した自動小銃でもあります。そんなM14で7.62ミリ弾を30発装備した弾倉を使うAK47を持ったカルテルとジムは戦うのです。アクションシーンは多くありませんが、ミリタリー愛好者としてはそこに燃える部分があります。
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