1968年のイングランド、当時11歳の少女メアリー・ベルによって引き起こされた連続児童殺人事件。
犯罪の性質とメディアの注目度から、社会に大きな衝撃を与えました。
最年少連鎖殺人犯メアリー・ベルについて、だいたい10分程度で読めるぐらい簡単に解説します。
犯行
メアリー・ベルの犯行は、4歳の男の子マーティン・ブラウンくんの殺害から始まり、廃屋の一室で首を絞めて殺害してしまいます。
マーティンくんの死が発覚した後、メアリーはマーティンの母親を尋ねて家を訪問し、自ら殺したのに「マーティンに会わせて」と頼んだ。母親は「マーティンには会えないの、もう死んでしまったの」と返答すると、「あら、知っているわよ、棺の中の彼を見たいの」と答えたという。
さらに彼女は「彼がいなくてどんな気持ち?」「彼のために泣くの?」と終始笑みを浮かべながら質問をしていたいうサイコっぷり。
二人目の被害者は当時3歳のブライアン・ハウくん。
事件当日、ブライアンくんは飼い犬とメアリー、彼女の悪友ノーマ・ベルと遊びに出かけて行った。
午後を過ぎても帰ってこないブライアンくんを心配した母親が、捜索隊に連絡し探したところ、コンクリートの隙間に無惨な姿で横たわっていた遺体を発見したのです。
警察が遺体を確認すると、唇は紫がかり首に打撲傷や引っ掻き傷があったことから、死因は絞殺と判断されました。
さらに死亡前につけられたと考えられる刺し傷が脚にあり、頭髪が切断され、お腹にはハサミで「M」の文字が刻み込まれているという猟奇さ。
逮捕
警察は犯人がブライアンくんの鼻孔を片手で抑え、もう片方の手で首元をしめたと推測、圧力がかかった部分が小さい事から犯人は子供だろうと結論を出したのです。
そこで地元に住む児童から聞き取り調査し、メアリーの証言を聞いた警察は、彼女こそが事件の真犯人だと確信し、メアリーとノーマの2人を逮捕。
ノーマはその場で泣き崩れ、「あなたのせいよ!」とメアリーを糾弾していたようですが、メアリーは「構わないわ」と涼しげな顔をしていたそうです。
逮捕後、2人の精神鑑定が行われました。
するとノーマには知的障害の傾向がある事が分かり、感情を隠すことが難しい上に表情に出やすく、人の言いなりになりやすいという性質があることがわかります。
一方でメアリーは、賢く狡猾で感情に波があり、思慮的で自己防衛に走ろうとする性質、先天性のサイコパスやソシオパスの性質が見られたのです。
調書を取っている時も、メアリーは不機嫌になったかと思えば、次の瞬間に笑っていたなどと、それを証明するかのような態度をとっていました。
そして、メアリーとノーマは児童2名を殺害した罪で裁判にかけられましたが、もちろん2人は無罪を主張。
裁判の結果、メアリーは殺人罪は無罪になりましたが、刑事責任能力に欠けるとの理由で殺意が無いまま法を犯したとされる「故殺罪」で有罪判決を受ける事になり無期懲役。
ノーマは精神鑑定の結果や事件への同情、反省が見られることから無罪と認定されたのでした。
原因
11歳の少女がなぜこのような凶悪犯罪を犯したのかは、家庭環境や精神的健康状態と社会的要因が原因だと考えられています。
彼女が生活していたスコッツウッド、当時はほとんどスラム街で暴力や犯罪行為が日常的に行われ、まともとはいえない環境。
母エリザベスは未婚の売春婦で、生まれて数分のメアリーに「その娘を片づけてちょうだい!」と言い放つほど、望んで生まれた子供ではなかった。後の父親になった男からは、殴る・蹴るなどのDVの限りを尽くされていたというのですが・・・。
メアリーが犯行に及んだのは彼女自身の責任だったのかと言えるのでしょうか?
著者としては、持って生まれた異常人格が環境によって開花してしまったように思い、その異常人格は誰にでもあるように思うのです。
※画像はイメージです。
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