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月の灯りに照らされて

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私はブームになる前から登山が大好きな山ガールです。
以前はもっぱらおじさん達と登っていたのですが、SNSで同世代の仲間ができたおかげで前よりも登山が楽しい!
おじさん達はいい人だし、知識が豊富で色々な事を教えてくれる。でもやっぱり、同世代は気兼ねないし話が合っていいですよね。
こんな心地よい登山は初めて!

これは、お盆休みを利用してXX岳を登ったときに起きた予想外の出来事の話です。

目次

くつろぎの山小屋

その日の夜、私達はXX岳の中腹にある山小屋に泊まったのですが、シーズンなのに私達しか利用客がいなくて、貸し切りの気分。
夕食を終え畳が敷かれた大きな部屋で寝袋に包りながら、スマホで撮った写真を見せっこしたり、おどけて変な踊りを踊ってみたりと、我が物顔で使って楽しい時間を過ごしています。

そうしていると突然、電気が消えて部屋が暗闇に包み込まれます。すでに深夜、山奥なので静寂が一層際立ったその時・・・「すいません、発電機が調子悪くて」と管理人の声が響きました。
みんな登山経験者なので慌てることもなく、たまにこんな事もあるよねと余裕です。

しばらくコソコソとおしゃべりしていたのですが、一人ひとりと寝落ちしていき、私もそろそろ寝ようかとウトウトしていた時でした。

夢うつつ

「ギャ」と不気味な声のような音が背後の方から聞こえてきます。
かと思えばバタバタとなにかが争うようような音が・・・、なにか嫌な予感というよりも不穏な空気を感じ、寝返ると
暗闇のなかに不気味な人影見えた。そしてソレはロッククライミングに使うロープのような物を使い、手慣れた手つきで一人ひとり確実に、寝袋ごと仲間を絞め殺してくる。

「ああなんて恐ろしい夢だろう、いやこんな事が夢でしかない」そう思いながらガタガタ震えていると、ついに私の番のようでゆっくりと近づいてくる。
咄嗟にポケットの中に入れていたスマホを取り出しライトを点灯、ソレの顔に向けると眩しい光を手で遮ったのは管理人だったのです。
怯んだスキに寝袋から飛び出し、大きな声で叫びながら宿の外へを逃げました。

森の中へ逃げ込み木々の隙間に隠れて山小屋の方を伺っていると、何かがおかしい。山の中が異様なほど静か、虫の声さえも響かないほどの不気味な静寂が漂っているのです。

そうしていると山小屋の扉がギギッと開き、仲間の誰かが逃げてきたのを期待したのですが現れたのは管理人。なぜか私の居場所を知っているように真っ直ぐ、迷いなく近づいてきます。

私の行方

私はただひたすらに逃げました。ところが山道を走っていると、どこかで見覚えのある風景に出くわし、驚愕と混乱が一気に押し寄せ・・・眼の前に見えているのは、泊まった山小屋。違う方向に向かっていっても、行き着くのは泊まった山小屋。

ふとスマホのMAPアプリを使うことを思いついて起動させると今いる場所は東京駅、でたらめな場所を指していて役にたちません。どうやっても同じ場所をぐるぐると回ってしまっているようです。

その時、背後で管理人の笑い声が響き渡り、振り向くと彼が木々の間から現れ、狂気に満ちた目でこちらを見つめています。
「やっとここまで来たのか?あの男がまた何か言ったのか?」
意味の解らない事を言い放ち、まるで誰かと会話しているように独り言を呟きはじめます。

私は後ずさりし、再び逃げ出そうとしましたが、次の瞬間、何かが足元に絡みつきました。慌てて下を見ると何本ものロープが張り巡らされ、まるで生きているように私の足を縛り付けようと動いている。
パニックに陥りながらも縄を必死にほどこうとしても、ますます絡まってきていき、足を取られ動けなくなりました。

管理人の声

もがいている私に近づき、耳元で「この場所からは逃げられないんだよ」と管理人が低い声でささやきます。

「あのお方は君たちを気に入っているからね。もう帰れないさ、私も同じだったよ」
と恍惚の笑みを浮かべ、真っ暗な闇に向かって叫んだのです。
その言葉の意味は解りません、しかし思考が歪み、凍りつくような恐怖が全身を駆け巡っていく。管理人は不気味な笑みを浮かべ「すぐに君も受け入れられるだろう」と囁きながら、ロープが絡んで動けない私を
引きずっていき、行き着いたのは山小屋の地下の部屋でした。

そこには仲間達と沢山の知らない人たちがロープに巻かれ、ミノムシのように吊るされていたのです。
私は必死に叫んで呼びかけても、声が喉から絞り出るだけで誰の耳にも届かない、吊るされながら隣の人の表情をみると恐怖に歪んでいる。

次第に目の前がぼやけ始め、意識が遠のいていくなか、彼の囁く声だけが響いています。
「さあ、これで仲間だ。君も、ここであの方と一緒・・・永遠に・・・」

その瞬間、理由は解りませんが私は理解します、オーナーは囚われた先客であり、彼自身も何者かに支配されていると。
最後に見たのは月の光を受けて輝く狂気に満ちた目と、果てしなく広がる暗闇の中で私を包み込むように見つめてくる・・・なにか・・・。

最後に

おそらくここまで読んでくださった方はお解りでしょう。
この話はすべてフィクションです。
たまには、こんな作り話も良いと思いませんか?
皆様の感想をお待ちしております。

※画像はイメージです。

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