私が小学生だった頃、体育館掃除のときに体験した、不思議な出来事の話です。
掃除当番
その日、掃除当番だったのは私を含めた男子4人。気の合う仲間同士ということもあり、和気あいあいと楽しい気分で体育館へ向かっていきました。
それほど広くはありませんでしたが、2階の観客が立ち見する通路の先に会議室があり、設備としてはとても充実した体育館だったのを覚えています。
掃除は1階と2階に分かれて行うことになり、私はもう1人の友人と2階を担当することになり、階段を駆け上がり、2階に到着したときのことです。
通路の先の会議室へむかう途中、そのドアのドアノブが突然「ガチャリ」と音を立てて動き出し、ゆっくりと開き始めました。
驚いた私たちは誰かが中にいるのではないかと思い、開いた入口から恐る恐る会議室の中を覗いてみても、そこには誰もいません。
「たぶん1階の2人がいたずらしたんじゃない?」
そう思った私たちは階段を下りて、1階の2人に確認しました。ところが、彼らは真剣に掃除をしており、「そんなことするわけない」と言います。
さらに「階段はここ1つしかないんだから、そんなことをすればどこかですれ違うはずだ」と言われました。
確かにそうで、たとえばこっそりと2階へくるとしても隠れる場所はないのです。
そんな話をしていると
突然「バターン」とドアをいきよい良く閉まる音が響き渡った。
私たち4人は驚きました。窓が開いていて風のせいだと思ってはいるもの、えもいえぬ不安を感じて全員で様子を見に行こうとなって、会議室にきたものの窓は一つも開いていません。
もちろん、体育館には私たち以外誰もいませんでした。
ふと一人が、この学校は誰もいないはずの階段を駆け上がる足音が聞こえたり、資料室に置かれているはずの置物が、ある日突然場所を移動していたとか、不思議な事が起きるという話を聞いた事があると言いだしたのです。
私達は途端に怖くなって、掃除はそっちのけで逃げ出しました。
あの古い校舎はその後建て替えられ、新しい建物に生まれ変わりました。
ですが、私にとってあの体育館での出来事は、今でもはっきりと記憶に残っています。
※画像はイメージです。
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