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だれか助けてクれ

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中坊の頃、俺はツッパッていて親やセン公に当たりチラシていた。
しかし住んでいたのが田舎の小さな町。悪い事といえば街道沿いに一軒しか無いコンビニで仲間とタムロして酒やタバコふかす、近所の雑貨屋で駄菓子を万引きしてイキがっているぐらい、今考えればカワイイものだ。

目次

金がほしい

ある時、バイクが欲しくなって、手っ取り早く金を手に入れるにはどうするかと考えた。
親の財布から盗みのも限界があるし見つかるとヤバい、バイトするにも中坊じゃ農家の手伝いぐらいで、ダルいし御駄賃程度でロクスポ金にならない。
手早く大金を手に入れるには、思いついたのが賽銭ドロボウだ。

家の側の神社は田舎の割に有名で参拝客が多い、夜中に潜り込んで賽銭箱の裏をみると鍵がかかっている。
むろんそんな事は承知、家からもってきたバールでこじ開けようとしているところを宮司に見つかり、シコタマ怒られた。

である日、俺は地元のすたれた神社を狙った。
家からは少し離れているが、ダチの家に遊びに行く時によく前を通っていて雰囲気とかよく覚えてる。
秋になれば落ち葉でめちゃくちゃ、冬には除雪されない。
たぶん管理してる人とかがいない感じだが、時々近所の人が掃除したりする事もある。
家の側の神社より少ないだろうが、リスクなく確実に金は手に入るのだ。

狙い目の神社

俺は早速、夜中に神社に行くとやっぱり境内は荒れてる。
マジで誰も何もしていない。
賽銭箱が空じゃ意味が無いと思って蹴飛ばして確かめると、金の音がしたと同時に中には何かが入っている感じがした。

これは楽して金が手に入ると喜び勇んで賽銭箱をこじ開け、バールを突っ込み中に入っている金をかき集めた。
しかし、金と共に人から剥がされたであろう爪がでてきたのだ。
それも2、3枚どころじゃなく、100枚じゃ済まない。むしろ金よりも多い。

気持ち悪さに逃げようとすると、だれもしないはずの神社の中から巫女の姿をした老婆がでてきて、俺の手首を掴んで離さない。それも老婆とは思えない凄まじい力で握られ、あまりの痛さに声を上げてしまった。
なんとか逃げなければと思った俺は、持っていたバールで老婆の腕を叩いていると老婆の手がモゲた。
後ろを振り返らず猛ダッシュで走って逃げ、布団の中にもぐってがくがく震えた。

それでは終わらなかった

それから夜になるとあの老婆の視線を感じるようなり、夢にまで出現して俺の爪を剥ぐのだ。
夢であるはずが剥がされた指に痛みを感じる。
しかし朝になって起きてみると、指はなんともなっていない。

それが毎日のように繰り返される。
耐えられなくなり、駐在にあの神社で賽銭ドロボウをしたと自首したのだが。
ポリ公はキョトンとして、賽銭箱が荒らされという話は聞いてないというのだ。

そんな事はないと、あの神社に向かってみると賽銭箱が無くなっている。
いったいなにがおきたんだ?
たまたま境内を掃除していた近所のオバサンに話をしてみると、賽銭箱なんて元々ないし、巫女のおばあさんなんていないと言う。

訳が解らない。
あの事件以来、許してもらう為にツッパルのをやめた。
20年以上経った今でも、時々夢に老婆が現れて爪を剥ぐのだ。
だれか助けてほしい。

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