この話は私が中学生の時に母から聞いた話です。
私の地元は所謂霊道という場所が多く怖い体験などは特に珍しいものでは無く霊感がない子供や大人でも体験している人が多いのだそうです。
かくいう私も鏡越しに足首だけの幽霊や夜寝ていると廊下から子供の笑い声と走る音や学生路に動物の霊が出てくる等の心霊体験をした事があります。大抵の幽霊は害がなく何より母からは「うちはよく心霊体験とかの話に出てくる霊感が強い家系やき他の人よりもよく遭遇するんよもし見ても無視するんよ」と常々言われており見えたとしても無視をしていました。
母曰くどうやら母方が占いなどをしていた影響らしく、霊感が強い子や虫の知らせなどを予知できる子が産まれやすく母自身も直感力が他の人より優れているらしく今でもその力は衰えていません。
今回の話のタイトルに出てくる父は数年前に離婚して今はいません。そんな父の趣味は心霊スポット巡りでよく友人達や母、兄二人を連れて休日に行っていたそうです。
しかし私が産まれてからは元々乗り気ではなかった父の誘いを断り続け父親自身も友人達と行くようになったそうです。
その日も友人達と車に乗って泊まりがけで心霊スポットに出かけていて家には私と兄二人そして母の4人だけでした。
母はいつも通りに私達を寝かそうと声をかけたその直後に玄関から父がノックをしながら「開けてー陽子(母の名前)」という声が聞こえてきたらしく泊まりがけと聞いていた母は不思議に思いながらも偶々一緒近くにいた私と玄関に向かったそうです。
しかし覗き穴を覗いても誰をおらず父のイタズラかと疑った母は父に電話をしたそうです。
けど何故が電話に砂嵐が走って中々繋がらず不審に思いながら私と部屋に戻ろうとした時に私が「パパ」と誰も居ない玄関の外を指を指し吸い込まれていくように玄関に向かっていったそうです。
それを見た母は何故かとても嫌な予感がしたらしく私に戻ってくるように伝えようとした時に
かけ続けていた電話から「みー(私のあだ名)開けてー」と声が砂嵐と共に聞こえたそうです。それを聞いた瞬間玄関を開けたら私が危ないと直感が走り慌ててドアノブに回していた私の手を取り離れたそうです。
その直後に電話から「チッ」聞いたこともないしゃがれた舌打ちが聞こえてきて玄関から嫌な雰囲気がフッと無くなったそうです。
後日念の為父に夜家に帰ってきたのかどうか聞いてみたら帰ってないと言われ証拠に時間が書かれている写真を見せられたそうです。
そしてその場所で「なんかあった?」と聞いてみた所何も無かったと言われたそうです。
母自身は「在り来りな怖い体験やったけどなんで父親じゃなくて私達を狙ったんか、あんたしにしか視えんかったんか、あれの正体とか未だに分からん事多いけど、今思えばあれがきっかけでアンタも幽霊が見えるようになったんよね。」と言われました。
私自身も怖い体験を見ていたり聞いていたりすると大抵は心霊スポットに行った本人の前に現れる事が多いので母同様不思議に思っていますし何より何故私のあだ名と母の名前を知っていたのか不気味に思えてなりません。
※画像はイメージです。
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