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そこにいるのは、おばさん?

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それはもう20年以上も昔の出来事で、当時、私は高校生でした。

実家は10階建ての分譲マンションで日当たりのいい角部屋です。
親戚のおばさんがこのマンションに住んでいて、アパート暮らしをしている私たち家族に紹介してくれ、見学のつもりで見に行ったら、すっかり一目ぼれしてしまい売れ残った最後の一部屋を購入したのでした。

暮らしやすさもですが、何より世話焼きで頼りになるおばさんが一緒のマンションにいることが両親にとって心強くて、決め手になったのです。

目次

誰からも慕われていたおばさん

おばさんは酒好きで飲み屋を経営するほど料理の腕前もあり、社交的と持ち前の明るさでたくさんの常連客がいて、そこそこ繁盛していました。
自宅にも5~6人ほどが座ることの出来るバーカウンターがあり、休みの日には友達を招待して自慢の料理をふるまっていました。

そんなおなおばさんでしたが、持病の高血圧が悪化し医者からお酒を当分控えるようにと言われてしまいました。
「体が資本だ!」と、しぶしぶお店をたたみ、お酒も積極的に控えていたようです。

そんなある日、飲み仲間から久しぶりに飲み会のお誘いが来ました。もう数か月も頑張ってきたので、少しぐらいはと思い、みんなに会えるのを楽しみに飲み会へ出掛けていきました。
昔話に花が咲いて、気づけば午前様。

おばさん

自宅に帰ってくるなり、「頭が痛いから、涼んでくるね」としばらくベランダへむかい、しばらく夜風にあたり酔いも冷めたところで、そのままベッドに入り眠りにつきました。
飲みすぎたおばさんを心配してご主人が度々様子を見に行くと、安らかな表情で眠っていたので、安心してご主人も眠りについたのです。

しかし次の日の朝、いつまでたっても起きてこないおばさんの様子を見に行くと、そこにはすでに息を引き取ったおばさんの姿がありました。
突然でしたので、ご主人も気持ちの整理をつけることができません。
深い悲しみに暮れていると、部屋の置き時計の針が突然グルグル回り始め、電気が激しく点滅したのです。

ここにいるよ

その状況に驚きながらも、ご主人は私の家にやってきて、号泣しながらおばさんが亡くなった事を告げました。
私達は突然の事に驚きながら、まずは落ち着いてもらおうとご主人をリビングに招き入れ、お茶を沸かそうとキッチンへいった時でした。

テレビの音量が突然大きくなり、家中の電気が一瞬光ったと思った途端、ブレーカーが落ちたようで停電の状態になったのです。

私はふと、思いました。
「おばさんかな、きっと」
「ここにいるよ、気づいてよ」
そう伝えたかったのだと。

そして、まさにこの記事を書いている途中、キーボードが打てなくなる現象が起きました。
これはただの偶然なのでしょうか?

※画像はイメージです。

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