もう20年以上前の話。
わたしの地元には観光名所というか、社会見学で使われるような、戦時中に使用されていた防空壕が残っている。
そこは観光名所となっていることから、公園や売店などが併設されており昼は賑やかだ。
しかし、夜になるとやけに静かでひんやりとした空気が流れている・・・そんな場所だ。
あの日の思い出
思春期のわたし達はそこに併設されたベンチに座って、夜遅くまで友達と他愛もないおしゃべりするのが日課となっていた。
そんなある日、1人が突拍子もなく「怖い話でもしてみないか?」と言い出した。
ちょうどいつものおしゃべりに飽きていたところで、みな二つ返事で承諾したのだ。
皆のひとしきり怖い話をすると、場所のせいなのか、見慣れた場所のはずが凄く嫌な怖さを感じた。
その日の帰り道、やけに後ろを気にしながら帰ったぐらいだ・・・あんまり怖い話なんてするもんじゃないなぁ。
すこし後悔しながら足早に歩いていると、いつのまにか家の前についていた。
安堵感から「ただいまー!」と元気よく玄関を開け、小走りで自分の部屋に入った。
すると普段はあまり話さない姉がドア越しに、「お友達つれてきたのー?」と尋ねてくる。
「こんな夜遅くに連れてくるわけないじゃん!」
おかしな事聞くもんだなぁと、すこし気になったが眠りについたのだ。
次の日の朝のこと
翌朝、朝ご飯を食べながら、姉に昨日の夜なんであんな事を言ったのか聞いてみると。
あれはお前がただいまー!って言った後、男の子の声でぼそっと「おじゃまします」って声が聞こえたからと言うのだ。
私はふと、例の場所で友達と怖い話をして遊んでたことを姉に話すと、「あそこでそんな話をしてはいけない!」と一喝された。
よく怖い話をすると寄ってくると聞く。
もしかすると、この世に存在しない同伴者をつれて来たのかもしれない。
※画像はイメージです。
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