2013年8月、愛知県岡崎市で発生した会社役員殺害事件は、10年以上経った今も未解決のままです。
犯人像や動機、侵入経路については様々な憶測が飛び交いましたが、真相は今も闇の中。
事件の概要
被害者は、大手自動車部品メーカーの子会社に勤務する61歳の会社役員男性。
職場ではリーダーシップがあり人望の厚い人、地元でも穏やかで誠実な人柄として知られ、町内会の活動にも積極的に参加しご近所との関係も良好。
無口で控えめながら家族思いで責任感の強い父親だったようです。
事件当日、男性は夏季休暇中で、里帰りする妻を名鉄新安城駅まで送り届けた後、自宅で一人静かに過ごしていました。しかし、その翌日になっても連絡が取れないことを心配した妻が、長女に様子を見に行くよう頼み、事件が発覚します。
自宅2階の寝室で、男性は胸や腹に多数の刺し傷を負って倒れており、すでに死亡していたのでした。
現場の状況と不可解な点
自宅の1階は何者かによって物色された形跡があり、現金6万5000円がなくなっていました。1階の窓ガラスにはヒビが入っており、玄関ドアは施錠されていませんでした。
一方、2階部分には大量の血痕が残され、寝室以外にも血痕が点在していました。
事件当時、2階のエアコンは稼働していたものの灯りは消えており、被害者はシャツと半ズボン姿で、いかにも就寝中だった様子がうかがえます。
警察によると窃盗目的で侵入した犯人が物色中に被害者と鉢合わせし、もみ合いの末に殺害してしまったとの見方を示しました。
侵入経路については、1階の窓からの侵入が試みられた形跡があるものの、人目につきやすい等の理由から、施錠されていなかった2階の窓から侵入した可能性が高いとされています。
現場状況をもとに流れを整理すると、犯人は2階の窓から侵入し、1階を物色。物音に気づいた被害者が階下に降りようとしたところ、再び2階へ戻った犯人と鉢合わせ。もみ合いになり、凶行に及び、あわてて玄関の鍵をあけて逃走。という筋書きです。
しかし、これには大きな違和感を感じます。
本当に強盗目的だったのか?
2階から侵入して1階を物色するという動きは、極めて不自然です。
一般的な空き巣であれば、まず2階から侵入した場合、2階の部屋から物を物色するのが自然ではないでしょう。
それにもかかわらず、1階に降りて物色したこと、そして現金6万5000円という小額しか奪われていないこと。
つまり本来の目的は別にあったのではないか?と思えてしまうのです。
動機は仕事絡みの私怨?
家庭内のトラブルや痴情のもつれといった私的な動機は、警察の捜査でも否定されています。
そこで改めて浮上するのが、「仕事絡みの私怨」という線です。
被害者は自動車業界という過酷な競争環境の中で、下請け企業や取引先との交渉にも携わっていたはずです。
人柄は誠実でも、職務上、誰かに恨まれる状況にあった可能性は否定できません。
企業間の対立、社内の派閥争い。
被害者が「矢面」に立たされていたとすれば、怨恨による犯行を強盗に見せかけた偽装工作という構図が見えてきます。
もう一つの可能性
この事件で見逃せないのが、犯行のタイミングです。
妻が里帰りし、自宅には被害者ひとり。もしも他に家族がいたら、偽装もふくめてこれほどスムーズに犯行に及べない。
家族の予定や生活パターンを把握していた可能性があるとすれば、犯人はごく限られた人物に絞られると思いませんか?
感じる違和感
これは私の邪推ですが、10年以上経っても解決しない背景には、警察の捜査が「偶発的な強盗殺人」という筋書きに固執しすぎている可能性もあるのではないでしょうか?
むしろ今こそ、視点を変えて事件を見直す必要があるのかもしれません。
誰が、なぜ、大岡さんの命を奪ったのか。
そして、そのことで最も利益を得た人物は誰だったのか・・・その答えは?!
捜査本部はすでに解散していますが、警察は今も未解決事件として捜査を続け、「どんな些細なことでも構いません。情報をお寄せください」と呼びかけ続けています。
一刻も早く犯人が見つかることを祈りつつ、筆をおきます。
※画像はイメージです。
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