軽巡洋艦「大淀」~最後の連合艦隊旗艦~前編

日本海軍連合艦隊の司令塔たる連合艦隊旗艦の最後を務めた軽巡洋艦「大淀」
この「大淀」はどんな目的で計画され、作られたのかを紹介します。

潜水戦隊旗艦の巡洋艦

昭和14年(1939年)に決定された「海軍軍備の計画である第四次海軍軍備充実計画(マル4計画)において潜水戦隊旗艦の巡洋艦2隻を建造する事となった。
この2隻が「大淀」型となる巡洋艦です。

潜水戦隊の旗艦とはどんな役割なのか?
潜水艦の難点として索敵能力が低い事です。レーダーがようやく実用段階になる時代でもあり、潜水艦は潜望鏡と音で位置を測るソナーでしか周囲を見張るしかない。
そうした潜水艦の限られた索敵能力を補う為に、広い範囲を索敵できる航空機を搭載した旗艦が必要だと考えられた。

索敵機が敵艦船を発見し、潜水戦隊旗艦が指揮下にある複数の潜水艦へ指示を出す。
通信機能と航空機搭載を重視しながらも、戦闘能力を持たせる事から潜水戦隊旗艦となる巡洋艦が計画されたのです。

「大淀」の航空機搭載能力

「大淀」の特徴は航空機搭載能力だろう。
「大淀」の後部に全長25m以上、全幅13m以上の大きな格納庫が備えられている。この格納庫に航空機4機が収納される。
また、甲板やカタパルトに2機が置かれて「大淀」は6機もの航空機を搭載できる。
では、「大淀」が載せる航空機とは何か?
それは高速水上偵察機として開発していた「紫雲」だった。

しかし、「紫雲」は速度はあまり速くなく、機体に問題があり少数しか生産されなかった。
「大淀」は計画から「紫雲」を搭載する事を前提に建造されたものの、「紫雲」を搭載機として運用する事はなかった。
「紫雲」の代わりに搭載されたのが、日本海軍で長く使われている零式水上偵察機でした。

「大淀」の武装

旗艦も敵艦と遭遇した時に自衛の能力が必要であるとして、15.5センチ砲の三連装砲塔を「大淀」型は主砲として2基装備している。
この主砲は「大和」型戦艦の副砲、「最上」型巡洋艦の主砲と同じ物だ。

「大淀」には「最上」型巡洋艦が20.3センチ主砲に替えた時に外された15.5センチ主砲が装備された。この主砲は75度の仰角が取れる対空戦闘にも使用できた。
高角砲には「秋月」型駆逐艦の主砲と同じ10センチ高角砲が4基備えられ、「大淀」は対空戦闘に強い砲を揃えた巡洋艦でもあるのです。

<参考文献>
MILITARY CLASSICS VOL.72 第二特集「軽巡洋艦大淀」イカロス出版
超精密3DCGシリーズ29連合艦隊のすべて 双葉社

eyecatch source:不明Unknown author, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由

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