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前世の私は相撲取り?「大相撲令嬢」で心の四股を踏め!

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相撲、言わずと知れた日本の国技であり、誰でも知っているスポーツ。転生悪役令嬢、今やエンタメ界のスタンダードとなった主人公属性。今回ご紹介する『大相撲令嬢~前世に相撲部だった私が捨て?王子とはぁどすこいどすこい~』(漫画:影崎由那/原作:川獺右端/キャラクター原案:村上ゆいち)は、そんなふたつの定番を組み合わせた異色作だ。

相撲と悪役令嬢、水と油どころか永遠に交わらない気すらする二つの要素。どことなくトンチキの香りすらするが、読み始めるとその圧倒的相撲愛にぶっとばされてしまう不思議な作品。今日はその豪快な魅力に迫ってみよう。

目次

ファンタジー世界が国技館に変わる? 圧倒的相撲愛を受け止めろ!

相撲、日本の国技であり伝統競技。長い歴史を持つとともに現在でも愛されているスポーツだ。だが、連綿と続く伝統に裏打ちされた競技でもあるため、よほどのファンでなければぼんやりとしか知らない人も多いのではないだろうか。そんな私たち相撲ライト勢のまわしを豪快にひっつかみ、広大で深遠な相撲ワールドに引きずり込んでくれるのが本作『大相撲令嬢~前世に相撲部だった私が捨て?王子と はぁどすこいどすこい~』だ。
キーワードは、悪役令嬢。そう。ゲームや小説の世界に転生したものの、ヒロインの仇役として失脚する悪役令嬢になっていた……というお約束のアレである。

相撲と悪役令嬢、水と油どころか違う銀河系に存在しているレベルで遠い存在。だが本作では、この悪役令嬢が私たちを相撲の世界に誘ってくれるのだ。何を言っているかわからないと思うが、ひとまず本作のあらすじを追ってみよう。

主人公である令嬢フローチェ・ホッべマーは、ある日自らの婚約者であった王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。その際、恋敵であり王国の聖女でもあるヤロミーラから張り手……もとい平手うちを食らったことで、ある記憶を思い出す。フローチェの前世はなんと大学の女子相撲部員。そしてこの世界は前世で彼女がやりこんだ乙女ゲームの世界だったのだ。前世の記憶を取り戻したフローチェは、剣と魔法と謀略の世界で、己の運命に立ち向かうことを決意する。己が愛した相撲の力で……。

以上がざっくりとしたあらすじだ。やっぱり何を言っているかわからないかもしれない。だが、そんな私たちを尻目に、一話からフローチェは次々と決まり手を繰り出して困難を蹴散らしていく。とはいえ、完全に読者置き去りのシュール展開が続くわけではない。フローチェの相撲パワーは言わば異世界チート。四股にはアンチマジックの効果があり、フローチェが召喚するフィールド……土俵は神聖な決闘場として機能する。

この能力を使ってフローチェはさまざまな難敵と対峙していくというわけ。このあたりは本作がファンタジーものとしてユーモアをたたえつつも、設定を上手に消化しているところ。
そのせいで、はちゃめちゃな異世界相撲ギャグでありながら、本作を読んでいるとどんどん相撲の知識が増え、引き込まれて行くことがわかる。読み終わるころにはあなたも相撲ワールドの住人。近くて遠い存在だった相撲が少し身近になっているはず。トンチキギャグと思わずに読めば、相撲に馴染みがない人も楽しみながら相撲に触れられるかもしれない。

立ち向かうは聖女の陰謀!相撲の力で正義を貫け!悪役令嬢の運命は?

トンチキ異世界ギャグでありつつ、相撲の世界に触れられる漫画『大相撲令嬢~前世に相撲部だった私が捨て?王子と はぁどすこいどすこい~』。悪役令嬢ものの秀逸な相撲パロディであり、近くて遠い相撲の世界に私たちを誘ってくれる本作だが、ただの相撲ネタの天丼漫画ではないのもおもしろさのポイント。

舞台となる異世界ファンタジー世界は意外にもかっちりと設定されており、フローチェが立ち向かう運命もなかなかシリアスなものとなっている。第一話、フローチェに婚約破棄を突きつけた第一王子ジョナス。色恋でアホになり、婚約破棄を突きつけた小物かと思われた彼だが、実は裏で糸を引いていたのは聖女ヤロミーラ。
聖なる力を悪用した彼女は、王族を幽閉。騎士や魔導士すらも術にかけ、クーデターで国を乗っ取ってしまう。フローチェの「推し」である弟王子リジーを助け出してからは、マジック相撲バトルはただの取り組みではなくこの第一王子派と、フローチェたち第二王子派の国を賭けた大一番に発展して行くのだ。

もちろんフローチェの敵もどんどんスケールアップ、攻略対象のイケメンを投げ飛ばしていた序盤を過ぎると、王国の騎士にドラゴン……とファンタジー世界ならではの強敵がフローチェの前に立ちはだかる。戦闘もクーデターを起こした第一王子軍と王都奪還を目指すフローチェ軍のガチバトルに発展。もはや相撲でどうにかなるのか?というレベルになっていくのだが、相撲でなんとかしていく。
なぜならフローチェは一塊の相撲取りだから……。とは言え、相撲でなんとかならないところは、フローチェが相撲の力で打ち負かし、仲間にした猛者たちが補う仕掛けになっているので安心(?)だ。

中盤からは王国の要職をになう将軍や、大貴族であるフローチェの父も加わり、フローチェたちの力強い味方になっていく。この時繰り広げられる、軍隊同士の戦いが“ガチ”なのが本作の妙に真面目で面白いポイント。

本作の見所

本作のメインはフローチェのマジカル相撲パワーのため、陰に隠れがちだが、歴史好き、ファンタジー好きはニヤリとできるポイントも隠れているはず。ぶっとんだ展開にひと笑い、相撲バトルにエキサイトしたあとは、本作の隠れたこちらの要素にも注目してみてはいかがだろうか。

以上が今回ご紹介した『大相撲令嬢~前世に相撲部だった私が捨て?王子と はぁどすこいどすこい~』の見どころだ。張り手で前世を思い出す……そんな出オチ作品と見せかけて、主人公、もとい作者の相撲愛があふれにあふれた本作。
基本的にはコメディだが、ファンタジー世界への「相撲」の落とし込みと、意外にも作り込まれた世界観が光る、楽しい作品だ。相撲が大好きな人も、いまいち相撲が身近でないひとも、興味がある人はぜひ楽しんでほしい。

著:影崎 由那, 著:川獺右端, 著:村上 ゆいち
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(C)影崎由那、川獺右端、、村上ゆいち / アース・スターエンターテイメント

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