9月となり、世間ではお月見にちなんだフードを見かけるようになりました。
今年2024年の十五夜(旧暦8月15日)は9月17日、同じく月にお供えをする十三夜(旧暦9月13日)は10月15日。
前者は旧暦では7月から9月が秋であるため、その真ん中な8月から「中秋の名月」と呼ばれています。
かたや十三夜は別名「栗名月」や「豆名月」と呼ばれていますが、これは秋の収穫になぞらえたものです。
もっと言うなら十三夜のほうが日本特有のお月見だったりするんです・・・閑話休題。
いずれにしても、どちらのお月見にも欠かせないアイテムがあります。
それはススキとお団子、ついでにうさぎの置物。
もっと言うならお団子を乗せる台、三方や敷紙も用意しなくてはならないことも。
そこで、お月見に必要不可欠な「3つのアイテム」にちなんだ雑学を取り上げていきたいと思います。
ススキの雑学~ススキの郷土玩具「すすきみみずく」
東京都豊島区、雑司ヶ谷鬼子母神堂。ここにはススキの穂をたばねてつくられた子育てのお守りがあります。
その名も「すすきみみずく」。
ススキでできたミミズクは素朴で親しみやすいビジュアルをしており、そのそばには鬼子母神の化身といわれる蝶もいます。
さて、「すすみみみずく」は地元で伝わる昔話曰く・・・・。
昔、貧しい母親と娘がいた。
母親は病気となり、娘は母親をなんとかしたかったが、貧しさゆえに薬代はなかった。
そこで鬼子母神に祈ったところ、夢にあらわれて「すすきでつくったみみずく」を売るようにというお告げを受ける。
お告げの通り、ミミズクを売ったところ、飛ぶように売れて薬代を手に入れた。
まさしくおとぎ話ですが、注目したいのは関東に見られる郷土玩具の特徴が反映されていることでしょうか。
郷土玩具は江戸時代後期から明治時代にかけて生まれた玩具で、紙や木材など何でもない素材でつくられています。
代表的な郷土玩具は羽子板、こけし、独楽ですね。
「すすきみみずく」もまたお守りであると同時に郷土玩具ですが、関東の郷土玩具は江戸時代の気風を受け継いでいるのが特徴的です。
何にせよお月見にちょうどいいかもしれない「すすきみみずく」。
しかし一時は職人がいなくなったことで消滅の危険がありました。
さいわい法明寺のご住職さんたちが保存会を立ち上げたため、その危険は避けられましたが、二度あることは三度あるというもの。
もしも興味があればお参りのついでにご購入を検討されてはいかがでしょうか?
お団子雑学~お団子には秋がない?
季節のお団子といったら2つあり、1つはお月見団子、もう1つは花見団子です。
このうちお月見団子についてよく知られている話は関東と関西、2つの地域のお月見団子は形が違うということではないでしょうか。
関東のお月見団子は丸いのに対し、関西のお月見団子は細長くなっています。
これは関東は満月に、関西は里芋に見立てているからだそうで、月を愛でるか、それとも収穫を喜ぶのか。いずれにしても風流ですね。
風流と言えば花見団子にも秋にちなんだ雑学があるんですよ。
花見団子は上からピンク・白・緑という配色になっていますが、一説によれば。
”ピンクは春”、”白は冬”、”緑は夏”をあらわしているのだとか。
では何故、秋がないのか?といったら「秋ない(飽きない)」にかけて縁起をかついでいると言われています。
こっちは風流というよりは粋ですね。
うさぎ雑学~お月見にうさぎがセットになっている理由
極端な話、お月見に用意するものはススキと月見団子だけでOKだったりします。
けれどススキと月見団子のそばにうさぎがいないと、なんだか物足りない感じがしますね。
最近ではうさぎのカタチをしたお団子が売られていたりもしますが、何故、お月見にうさぎがセットになっているのでしょうか?残念ながらその始まりを特定はできなかったものの、「うさぎが月に住む」という伝承は古来から日本に伝わっています。
いわゆる月兎伝承は古代インドから中国を経由して渡来したもので、その中国では月の兎は不老不死の薬をつくっているとか。
日本ではお餅をついていますが、そういった豊作にあやかろうとするだけでなく、健康長寿も祈っているうちに、いつのまにかセットになったのかもしれません。
日本神話の神様・ツクヨミは不老不死をもたらす変若水と関わりがあるという説もあるため、そのイメージによるところもあったかも。
お月見を楽しもう!
いかがだったでしょうか?
ススキ・お団子・うさぎ、それぞれのアイテムにまつわる雑学は共通点は全くないものの、知っていて損はないものばかりだったと思います。
もしもあなたがお月見をして・・・あるいはお月見に関するフードを食べていて、そこに誰かがいたら話のネタになると自負しております。
思った事を何でも!ネガティブOK!