創作した怪談が現実に!パソコン通信の怪

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誰しも子どもの頃、何の気なしについた嘘が思わぬ波紋を呼んで、大ごとになり青ざめたという経験があるのではないだろうか。
それと同様に、もし自分の作った怪談が現実のものとなったら、あなたはどうするだろう。
しかも、あなた自身が怪異の魔手にかかったら・・・。

目次

白い服の少年

常光徹「学校の怪談」シリーズの7巻に、そうした話が収められている。「パソコン情報」がそれだ。
インターネット普及以前、パソコン通信が人気を集めていた頃の話である。

怪談の好きなP男という少年が、自作の話をパソコン通信で広めた。
それは、4のつく日の午後4時にR公園へ行きブランコに乗ると、白い服を着た少年が現れる。その子の「ねえ、あそばない?」という誘いに乗ると、見知らぬ土地へ瞬時に連れ去られるというものだ。

P男自身さほど怖い話とは思わなかったものの、かなりの反響があり、実際に白い服の子に会ったとか知らない所へ連れていかれたといった報告がくるようになった。

「みんな、いいかげんなことをいってらァ。」とせせら笑っていたP男だが、自分でも確かめてみたくなり、ある4のつく日の4時にR公園へ出かけてみた。
そしてブランコに乗っていると、なんと白い服の少年が隣に現れたではないか!
その子の「ねえ、あそばない?」という問いかけに、P男は驚愕しながらも「いいよ。」と答えた。
次の瞬間、P男は家から遠く離れた墓地の中にぽつんと立っていた。

最新テクノロジーと怪談

朝里樹著『日本現代怪異辞典』によると、同様の怪談の初出は1990年4月19日にフジテレビ系で放送された番組「世にも奇妙な物語」内でのことだという。
当時新進の通信手段だったパソコン通信を用いた怪談ということで多くの視聴者に強い印象を与え、噂となり『学校の怪談』シリーズの著者のもとまで届いたのだろう。

この話は、ただ殺されるとか傷つけられるとかいうのではなく、見知らぬところへ連れ去られるというのが恐ろしい。
経済力のある大人ならともかく、金銭にも移動手段にも乏しい子どもにとって、自分の生活県外に置き去りにされるというのは脅威。また、こうした怪談は誘拐という現実的な恐怖も連想させる。

90年代半ば以降、パソコン通信はインターネットにその地位を譲り、カシマさんやきさらぎ駅といった人口に膾炙する怪談も多く誕生した。白い服の少年はそうした怪異たちの先輩といえそうだが、彼は今どうしているのだろうか。
人々が自分のことを忘れた今の時代を逆手にとって、R公園で新たな被害者を待ち構えているのかもしれない。

※画像はイメージです。

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