R公園に住まう「なにか」

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子供の頃、祖父母の家の近くにあったあるR公園。
遊びに行く度にちいさい僕を遊ばせようと、祖父は公園に連れ出すのですが・・・。

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R公園

R公園はスズランが見られ、ミズナラやカシワの木々が生い茂り、春にはサクラの花も見られ、お花見スポットで大いに賑わいます。
いろいろな野鳥がみられて、リスがどんぐりを齧っているところを度々見かけたり、自然が豊かで、遊具もたくさんあつ広い公園です。

こどもたちがおもいっきり遊ぶ場所として最適、祖父母の家から歩いて5分と離れていたいので、遊びにいくともっぱらこの公園に連れていってもらう事になります。

ですが、僕にとって苦手な場所だったのでした。
なぜかというと、「なにか」がいるのです。
その「なにか」は小さいヒトのような姿をしていて、草花の影に隠れながら、こちらを伺っています。

公園を散策していると、ついてくるような気配を感じ始め、草や落ちた葉を踏む音に紛れて周囲からカサコソ小さな足音が聞こえてくるのです。音のする方をじっと見つめると何体もの「なにか」と視線が合います。
泣きそうになりながら祖父に「なにか」いて、怖いと訴えるのですが、決まって「なにも聞こえないし、ほかにはだれもいない」と否定します。

それは公園を出るまで続きますので祖父の手を引いて、来たばかりでもとにかく早く帰ろうとしたものでした。

祖母が言うには

祖母は持病のリウマチがあるので、公園へ一緒に行くのはもっぱら祖父とですが、その日はとても調子がよかったらしく、たまには相手をしたいとう気持ちもあったようで祖母が公園に連れて行く事になりました。

公園に入ってしばらくすると、いつものように「なにか」の気配を感じ初め、祖母に訴えかけると祖父とはちがってきちんと話を聞いてくれます。
そして祖母が言うには、それはなにか恨みとか未練があってさまよっているような「おばけ」ではない。
人間が住み着く前からそこにいる人間ではない存在だというのです。

誰でも見えるわけでもなく、恥ずかしがり屋で滅多なことでは人前に姿を見せることはなく、「向こうは見られたくないと思っているのだから、おまえも気づかないふりをしておきなさい」と言われました。

僕はふと疑問に思い「姿を見てしまったらどうなるの」と尋ねると、祖母は少し考えてから、「見てしまったら、どうにもならない」と難しい顔で話します。

「もしかしたら、見たことがあるの?」と尋ねられたので、素直に「・・・うん」と答えたのです。
すると僕を抱きかかえ祖母の家まで走って逃げていく、「二度とあの公園には行ってはならない」と、何度も何度も言われました。

その後、これが原因だと思うのですが、リウマチが悪化して車椅子生活になったのですが、本当は僕に降りかかる「なにか」の災いを代わりに受けてくれた・・・そんな気がしてなりません。

※画像はイメージです。

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