人々はあるはずのないものに遭遇したとき、往々にして、それを怪異として認識しました。
今回は、昔、不気味な炎を目の当たりにした人々が抱いていた、この恐れの対象の正体に迫っていきます。
日本各地に伝わる炎の怪異
さまざまな地域で言い伝えられている火の怪異の中で、特に気になったエピソードを元に考察して行きます。
昔、奈良では、とある大きな柳のそばに毎晩青い火が現れ、人々はその現象を恐れていました。
毎晩現れる不気味な火も、雨であれば現れることはないだろう、と考えたある男がいて、雨の降る晩にその怪異の現れる柳のそばに行ってみたところ、なんとその柳の木全体が青く光ったのです。
その様子を見た男はたいへん驚き、その場で気を失ってしまいました。
この怪異は一体何か、ということですが・・・その正体はアオサギだといわれています。
新潟では、根元寺という寺の梅の木の根元に毎晩怪火が現れていました。
その怪火が弓矢で打たれたのですが、その弓矢の先にはサギがいたといいます。
沖縄の八重山地方では、ゴイサギは火吹き鳥として認識され、縁起の悪い鳥ということで名が通っています。
ピーフキトゥリとも呼ばれ、鳴いて通ることで不幸が起こるとも言われています。
ゴイサギの声が聞こえた際は、「ナーマヤード」という呪文を唱えて杵で臼を叩けば不幸を逃れられるということです。
このように、様々な地域でゴイサギは忌み嫌われる存在でもあるのです。
怪異の正体は青く光るサギ!?
各地で目撃されている不気味な炎、その怪異の正体は青く光るアオサギ、ゴイサギ。
口から火を吹くゴイサギ、川の水面をめがけて火を吹き付けるゴイサギ、火の玉のような様子で飛ぶサギ等、実にさまざまな目撃談が存在し、各地で言い伝えられています。
光の反射やバクテリア等、サギが青く光る理由にはさまざまな説がありますが、それらは確定されたものではないため、真実は分からないままなのです。
鳴き声が不気味だともいわれるアオサギ、ゴイサギは、青く光ることからも怪異の対象としては十分です。
ただの鳥ではなく、サギには怪現象の起こる何かがあるのかもしれません。
まとめ
人々が恐れた怪異はアオサギ、ゴイサギの青く光る姿。
怪火の正体が妖怪の類いであると認識することで、その恐ろしい現象について納得するのかもしれません。
昔の妖怪画家も、青く光るサギを題材としてよく取り上げ、怪異として描いています。
不気味な炎が漂っている光景を目の当たりにしたとき、それがサギであったなら、よく観察してみるとよいかもしれません。
それは単に青く光るサギなのか、はたまた妖怪としてのサギであるのか、その真相やいかに?
※画像はイメージです。
思った事を何でも!ネガティブOK!