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現代版・猿夢

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「猿夢」、という怪談を聞いたことはあるだろうか。
私にとっては今まで聞いた中で最恐の怪談で、夢の中で繰り返す悲劇、逃れられない恐怖が5、6年たった今でも風化せず頭に残っている。だが、猿夢を見た人側の視点を考えた人はいるだろうか。
私は昔から、奇妙な夢をよく見る。そして、その中でも中二の頃からだろうか、現代版・猿夢のような夢を繰り返し見る。

夢の中ではいつも見たことのない家にいて、周りの人の警告から始まる。「やつらがくる」「隠れろ」、皆が口々にいう。近くの人に話を聞くと、家の周りが化け物にとり囲まれていて、今にも入ってきそう。窓もドアも閉め切られていて、中から外は見えない。だが化け物たちの怒鳴り声のような音はずっとしている。

そして「やつら」が入ってくる音がして、かくれんぼ、になる。前回は畳の部屋の布団の下に、前々回は廊下の大きな柱の影に隠れた。そしていつでも共通するものは、近くに隠れてる人がいて、その人が先に見つかるということだ。布団に隠れている時は、布団の隣にあるタンスの裏に同年代くらいの男の子が隠れていたが、ひょろっと背が高く、一つ目で大きな口を持つ化け物につまみ上げられ、口に入れられていた。布団の中から少年の絶叫が聞こえる。布団も引きずられるが、裏返されないように布団の面にへばりついていた。ここで目が覚める。
いつもこの繰り返しだが、心なしか化け物との距離が夢を見るたびに近くなっている気がする。そう、まるで「猿夢」のように。

夢は記憶の整理の時に見るという。悪夢はストレスのせいだという。だが、何のストレスが私を化け物のように追い詰めているのだろう。何がこの長い間私を殺そうとしているのだろう。
そして何より、本家の「猿夢」を見た人にとって、何十年も続く地獄を彷彿とさせる「恐怖」とはどんなものなのだろう。猿夢より、自分の夢より、現実が怖い。

rr

「奇妙な話を聞かせ続けて・・・」の応募作品です。
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※画像はイメージです。

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