私の生まれ育った漁業で生計を立てている人たちが暮らしている小さな漁村では、嵐の後に海に近づいてはいけないと父親から何度も言われていたそうで、私も同様に亡くなった母から言われていました。
なぜかというのは、嵐の後には得体の知れない生き物が現れるからだと言うのです。
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昔あった話
昔むかし、酷い嵐のあった夜。
仕事帰りの若者衆が海沿いの道を歩いていると、ふと沖に大きな大木のような物が浮かんでいるのを見ました。
当時、大木を売るとお金になり、以前に同じような事があって大儲けした人がいたのです。
彼らは欲にかられ、誰もが手に入れようと沖に向かって泳ぎ始めます。
早くも一番泳ぎが達者なものが大木に到着したのですが、何を思ったか急に向きを変え、後から泳いでくる者達の方を向いて、手を大きく振ったかと思うと大木と共に夜の海に消えて行ったのです。
残された者たちは恐怖に怯えて陸に戻ろうとしたのですが、何人かは同じように海の中に消えていき、二度と戻ってくる事はありませんでした。
巨大なヘビ?
助かった者たちは「あれは巨大なヘビだったのではないか?」というのです。
それはなぜかというのは、海沿いの田んぼに大きな何かを引きずった後あったり、炭焼きで深い山に入った時に巨大な蛇が居るのを見た者が多くいるのです。
それが雨で海まで流されて人を襲ったというのですが、何であったかは未だに分かりません。
この話以外にも、嵐の後に海へでかけた漁師が帰ってこなかった事や、釣人が何人も海に飲まれて行方が知れなくなる事がしばしばあるようです。
※画像はイメージです。
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