学生の頃から仲の良い女性友達4人で、雑誌の夜景特集に載っていたロマンチックな「有名な夜景スポット」を観に行こうという事になり、ドライブがてら向かいました。
その「有名な夜景スポット」は歴史のある町の山の上で、昼でも夜でも山々に囲まれた美しい街並みが見られる人気のあるスポットです。特に夜景が評判で、雑誌で取り上げられた写真は心に響くものなのです。
混んでるじゃん
住んでいる地域から1時間半ぐらい、途中に山道もあって車の運転に慣れていない私達にはようやくたどり着いたように感じる距離でした。
ところが、展望台につづく駐車場は車がびっしりで、そこからでも夜景が見える場所は人ばかり。それもほとんどがカップルで、辺りにはピンク色の甘い雰囲気が漂っています。
私達は今までの疲れもあって脱力し、展望台まで行く気にすらならない・・・そんな空気になったとき、辺りを偵察にいった友達のA子が「裏道見つけた!」と車に飛び込んできたのでした。
裏道を見つけた
その道は、たぶんここが今ほど有名でない時に作られた展望台までの道のようで、駐車場の端っこに古びた案内板と共にあって、そこを通れば、すくなくても展望台までは煩わしい人々に合わずいけるようです。
街頭がほどんどなく薄暗い一本道で、明らかに人気もありませんし夜立ち入るのは勇気がいる。
せっかく苦労して来たというよりかは、むしろそんなミステリアスなムードが好ましいとばかりに他の3人はノリノリで「進んでみよう!」と歩き出します。いやそれだったら、行く先は同じなので混んでいても新しい道の方が良いという私の意見を無視して。
ただ先頭を歩くのは全員嫌らしく、道の幅もそれほど広くないので2人づつになり、ジャンケンで負けたグループが先に行くことになり、不条理にも私とA子が二人で先頭を進む事になったのでした。
迷ってしまった?
広くない道ですので2人でも横並びとなると、時々、生い茂った木の枝や葉っぱが当たってきて、割と迫っ苦しかったのをよく覚えています。
私は怖がりな私は、なるべく気にしないように下らない話をしながら、真っ暗で静かな夜道を歩いていました。
20分ほど歩いたとき、後ろを歩いていた友達の一人が「なにかおかしくない?」と私を含めた皆に話かけます。
それは案内板には10分程度と書いてあったのと、頂上にいくほど新しい道とは平行に進んで行くはずで夜景が見えるはずなのに、見えているのは暗い山ばかり。
一本道のようだけれど、暗くてみえないだけで分岐路に迷い込んでしまったのじゃないか?
怖がりな私は我先に「これってゴールない気がする、とりあえず引き返さない?」と提案するのですが、となりで一緒に前列を歩いているA子が提案を拒否。
ここまで来たんだからどんどん進んでいけば展望台に到着する、ここで帰るのは勿体ないよと手をつないで、グイグイ引っ張って前に進んでいったのです。
え???
3分もしないうちに携帯が鳴り響き「皆どこ!?」というラインがきました。
後ろを引き離したのかな?と思って振り向くと、10mぐらい後ろに2人が見えます。
これぐらいなら大丈夫だろうと気にせず進もうとすると、繰り返し「皆どこ!?」がくるので、二人で手を繋いで来た道を戻り、後ろと合流すると。
「あれ?A子はどこ?」と意味の解らない事を聞いてきます。
A子とは私と二人で前列を歩いていた友人で、私はさらにイラッとして「A子ならここにいるジャン!」と繋いだ手を上にあげると・・・だれもいません。
いままで手を繋いでいた感覚はあるのですが、そこには誰もいません。
A子はどこに?
じゃあさっきまで誰と手を繋いで話していたのか、誰と話していたのか、頭がパニック。
そこにいる友人たちを見渡しても、やはり私含めて3人しかいません。
周りを見渡しても、私達以外の気配はありません。
私は急いで「いまどこ?」とメールしようした時に気がついたのですが、「皆どこ!?」のメールは10分以上前に届いていたものでした。
すこしパニック状態でA子の叫びながら皆で道を引き返すと、車の付近で半泣きでうずくまっていたA子がいて、「ずっと置き去りにされて、20分以上放置されていた」と怒っています。
そこにいた全員が顔を見合わせました。
私と一緒に前列を歩いていたA子は誰だったのでしょう?
それ以前に旧道の事もしらない・・・。
※画像はイメージです。
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