13年前の夏、九州のおばあちゃんの家で体験したお話です。
言ってはいけない気がして、家族や友達に話せていませんが・・・、ずっともやもやしていたので、ここで消化させてください。
夏になれば
私が子どもの頃、毎年夏になると九州に一人で暮らしている、おばあちゃんの家へ行って家族全員で過ごすのが恒例行事でした。
娘を2人育て上げて、お料理が上手でいつも優しく接してくれる、私はそんなおばあちゃんが大好き。
ただ田舎なので都会育ちの私からすると、夜のおばあちゃんの家はとても暗くて怖く感じたものです。
古い木造で廊下はキシキシいうし、暗闇のすりガラスは向こう側には、なにか見えそうな気がして怖かった。
そんなおばあちゃんの家に泊まるとき、私達家族はお仏壇のある座敷に川の字で寝るのが決まり。
その夜、父と母に挟まれた真ん中に寝いて、なぜか私一人だけ夜遅くに目が覚めてしまいました。
なにか大きな音がしたとか、なにかの気配を感じたとかではなく、理由もなしにパッチリと目が覚めたしまいました。
よる目が覚めると
見渡すと部屋は真っ暗で、時計の音が聞こえても文字盤は見えないので時間はわかりません。
頭上のお仏壇の電気蝋燭の光が暗闇に浮いてみえます。
あたりがやけに静かで、たぶん数分くらい過ぎたとき、「ポタ」と上から水が落ちる音がしました。
続けて父の方から「ポタポタポタ」と上から水が落ちる音がしました。
雨が降ってきたと思ったのですが、父の方には窓がありません。
外からの音が聞こえるとすれば足元の縁側からのはず。
「ポタポタポタ」次は頭上のお仏壇から聞こえました。
次は母の方から「ポタポタポタ」、次は足元「ポタポタポタ」と私達を一周するように「ポタポタポタ」と聞こえてきます。
音はいったい?
めちゃくちゃ鳥肌立ってきて、絶対なんかおると小学生ながらに覚悟を完了。恐怖より勝る好奇心を満たすのに「ポタポタポタ」と聞こえる方を薄目で見ると、何か黒いぼやぼやしたものが見える。
周りは暗くて何も見えないはずなのに、黒いものが見えると、おばけってこんな感じなのか?と思ったのを覚えています。
その次の瞬間、「ポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタ」。
私の周りを上から水が落ちるような音がぐるぐると回るようになり、あまりの強さに隣で寝ている両親を起こそうとしましたが、まったく起きる気配すらなくグッスリと眠っています。
ふと気がついたのは、私しかこの音が聞こえていないのでは?と。
しばらく回り続けていていた「ポタポタポタ」が、ピタッと頭上で音が止まり、眼の前には20代くらいのお兄さんがいました。
パニックになって気がついたら朝になっていた・・・夢だったのでしょうか?
なぜか解りませんが、家族やおばあちゃんには言い出せなかった。
音の正体は
その日のお昼におじいちゃんのお墓参りにいきました。
お墓の掃除を手伝っていると、お墓に無くなった方のお名前と年齢が書かれているのを見つけ、その中に「勝治 25永眠」と刻まれているのです。
お祖父ちゃんやお祖母ちゃんにしては、ずいぶん若くして亡くなったと子供ながらに思って興味本位で眺めていると、後ろからおばあちゃんが、「息子にゃあ。バイクの事故でね、いきんしゃったよ。あんたがうまれるまえだでね」と教えてくれました。
雨による単独でのスリップ事故だったそうです。
※画像はイメージです。
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