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海外発ホラーフィルム『The Backrooms』の秘密を解剖

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皆さんは欧米の都市伝説ホラーをご存じですか?ブラッディ・メアリーやスレンダーマンが不動の人気を集める一方、近年注目されているのがリミナルスペースに題材を得た『The Backrooms』。
今回はそんな『The Backrooms』の成り立ちを解説していきます。

目次

はじまりはが2019年 4chanに投稿された不可解なクリーピーパスタ

2019年5月12日、 アメリカの匿名掲示板4chan(フォーチャン)に不可解なスレッドが立ちます。そこに投下されたのは黄色い壁紙と蛍光灯が映る、不安定に傾いた部屋の画像でした。翌日、スレ主はこの部屋が「The Backrooms」であると明かします。

追記されたメッセージ曰く、「よそ見して現実から足を踏み外すと、色褪せたカーペットが敷かれた部屋に落ちてくる。ここにはあるのは狂気じみた黄色い壁紙とハム音がうるさい蛍光灯。面積は約十五兆 m2ほど。通路はない。部屋はランダムに区分けされ、奇妙な化け物と哀れな迷子を閉じ込めている。どうか神に祈り、この理不尽を生き延びてくれ」。

欧米のSNS Redditを介して世間に広がる

4chan初出の画像と短文は考察好きなユーザーの興味を引き、アメリカのティーンエイジャーが親しむSNS、Reddit中心にファンダムが出来上がります。結論から言えば、「The Backrooms」はSNSと相性抜群なネットミームでした。最大の魅力は万人が便乗可能な自由度の高さ。ファンアートの拡散過程において細胞分裂よろしく新フロアが増殖して行くのは、ミームのメタ構造として見ても面白いです。

ファンダムの熱量を知りたいなら「The Backrooms Wiki (Fandom)」や「The Backrooms Wiki (Wikidot)」をご覧ください。その盛り上がりは海を隔てた日本にも及び、syudouが制作した楽曲『インザバックルーム』はアニメ『チェンソーマン』のEDに使用されました。

「The Backrooms」が幅広い人々に受け入れられた背景として、リミナルスペースへの関心の高まりは否めません。リミナルスペースとは無人の地下鉄やプール等シュールな廃墟的空間をさす建築用語、またはそれが転じたネットミーム。もとは廊下や階段などの接続路を指し、「本来人がいる場所に誰もいない」「やけに閑散としている」違和感や、フォトリアルな不気味の谷現象を楽しむのが主旨でした。日本でヒットしたフリーゲーム、『8番出口』を例にとればわかりやすいでしょうか。

リミナルペース探索型ゲームは好調な売れ行きを記録し、最近では『LIMSCAPE』『Anemoiapolis: Chapter 1』『Dreamcore』が話題を呼びました。リミナルペースと並んで頻出する単語「アネモイア」は「未知なる郷愁、未体験の既視感」と訳され、一度も来たことないのに何故か懐かしい、以前見たことある気がする錯視の感覚と結び付いています。

YouTubeに発表されたショートフィルムがブームの火付け役

2022年1月6日、アメリカ在住の高校生ケイン・パーソンズが 『The Backrooms (Found Footage)』と題したショートフィルムをYouTubeにアップしました。以下、 『The Backrooms (Found Footage)』のあらすじです。冒頭、屋外で友人と映画を撮っていた撮影者は突如として謎の空間に隔離されました。壁には汚らしい黄色い壁紙が貼られ、床には毛羽立ったカーペットが敷かれています。

カメラを回しがてら探索を続けるうち、撮影者はハリガネを捩じったようなクリーチャー……エンティティに遭遇しました。エンティティは何種類か存在し、彼が相対したのはバックルームで死んだ人間がバクテリアに寄生された成れの果て。片やウインドウズと呼ばれるエンティティは窓に擬態し、覗き込んだ人間を別の階層に飛ばす性質を有しました。ギリギリまで引き寄せて襲い掛かるケースもあるので油断は禁物。

副題に「Found Footage」とあるように、当該フィルムは撮影者が消息不明なまま、後日回収された映像として公開されています。ラストは高度上空に放り出され、カメラが暗転して終わりました。 『The Backrooms (Found Footage)』は「インターネットで最も怖い動画」と言われ、ケインのチャンネルに行けば普通に見れます。本作がモチーフのPCゲーム、『The Backrooms Footage』(Untold Backrooms Stories)も発売されました。

階層別「The Backrooms」の危険度

バックルームへの転移はノークリップと言われています。これは操作キャラクターが加速時に障害物をすり抜けるバグをさすゲーム用語。3Dコンピューターゲームにおける、プレイヤーの認識外の隠しエリアも意味します。もとは開発者のデバッグ用に仕込まれた、ステージのショートカットを意図するチート技でした。早い話、「次元の壁をすり抜けてしまった」状態です。

さて、バックルームが複数の階層で成り立っていることは説明しました。黄色い壁紙の部屋はレベル0に当たり、比較的安全なエリアに区分されます。レベル0と接続したレベル1も生存可能領域。その先は命の保証ができません。
部屋の明るさと危険度は比例しており、暗い所ではエンティティとの遭遇率が上昇。特に警戒すべきなのがスマイラーと呼ばれるエンティティ。普段は実体を持たず闇に潜み、音や光に過敏に反応します。スマイラーと遭遇したら懐中電灯を放り投げ、全力で逃げ出すしかありません。

現在確認されているフロアはコンピューター室・地下壕・換気口・団地・下水道・レンタルビデオショップ他多数。いずれも人工的空間で自然は見当たらず、梯子が立てかけられた竪穴・横穴も無数にあり、至る所に隠し通路が設けられています。当然罠も含まれるのでご注意を。

レベル0に召喚されるのは一人だけ

謎が謎を呼ぶバックルームですが、大前提の法則があります。レベル0に落ちてくる人間は一度に一人というのがそれ。裏を返せば複数のフロアに跨り、性別・年代・人種がバラバラな生存者を観測できるのです。脱出を諦め、小規模なコロニーを作って暮らす集団もいました。はたして生活が立ち行くのか疑問に思えるものの、部屋部屋にはオブジェクトと呼ばれる物資が点在しており、食料の入手自体はさほど難しくありません。

アーモンドウォーターと名付けられた体力回復飲料も拾える為、数十年生き延びることも理論上は可能でしょうね。探せばトイレやコインランドリー、バスルームだってあるかもしれません。ただし大半は精神がもたず、自殺か発狂に至ります。蛍光灯のハム音はSAN値のバロメーターを兼ね、音量の増幅と精神汚染は切り離せません。

以上、「The Backrooms」の解説でした。4chanに最初に投稿された部屋の画像は、2002年にウィスコンシン州のおもちゃ屋のブログにアップされた、改装中の店舗の写真でした。早い話が釣りスレだったのです。が、ユーザー達には関係ありません。大事なのは創作物の世界観を共有できること。今後も幅広いユーザーを巻き込んで進化を続ける、「The Backrooms」の方向性から目が離せませんね。

※画像はイメージです。

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