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アニメ版「ザ・ファブル」を見て思う、現代日本のコンプラ問題

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「ザ・ファブル」は南勝久氏による人気作品で、原作漫画は第一部が240話で22巻、第二部が86話で9巻に及ぶ長編であり、現時点では第三部が制作されるか否かは判明していないようです。
「ザ・ファブル」は週刊ヤングマガジンにてこれだけの連載が行われた人気作品である事から、2019年に第一作、2021年に第二作が実写映画としてもこ公開されており、アクション俳優としてもお馴染みとなった岡田准一氏の主演作としてご存じの方も多いのではないでしょうか。

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「ザ・ファブル」とコンプラ問題

そんな「ザ・ファブル」ですが、岡田准一氏が主演した実写映画において、主人公である彼が演じる佐藤明が仮に住まう事となった街を縄張りとしているのは、ちょっとガラの悪い●●興業と言った民間企業?として描かれました。
原作漫画においてこの立ち位置にあったのは、その地域を縄張りとする暴力団の真黒組なのですが、現在の日本の映画界におけるコンプライアンス的に、露骨に反社会的勢力とわかる暴力団を登場させる事が憚られた結果、その設定と名称になったのではないかと個人的には思っています。

しかしそこで思うのは、映画は基本的には個人が入場料金を支払って任意で観に行くものであり、テレビの地上波放送のように誰もが容易く目にする可能性は低いのではないかと感じられるのです。しかし今のご時世、主人公が絡む組織をはっきりと暴力団として描く事がコンプライアンス的に問題となると見做されているともおぼしき事です。

アニメ版「ザ・ファブル」

2024年春から2クールの予定で放送されているアニメ版の「ザ・ファブル」は、日本テレビ系列にて全国放送されているのですが、こちらは実写映画版とは異なっています。
設定や人物はほぼ原作通りの内容となっており、真黒組もそのまま暴力団として描かれています。

個人的にこれを見ながら思うのは、コマーシャルがあるのでただで視聴でき、多くの人の目にふれるであろう地上波の方が、その点のコンプライアンスについては緩いのは何故なのかという素朴な疑問です。

作品と設定

根幹的な設定が変わってしまうと、主人公やそれと取り巻く人物のあり方が変わってしまい、奥底に流れる「作者が語りたい」テーマが歪められてしまうように思うのですが・・・・
まあそんなことは抜きにしても、原作に忠実なアニメ版の「ザ・ファブル」の方が内容的にも、主人公らの描写にしても実写映画版よりもやはり良いと個人的には感じており、毎週の放映を楽しみにしています。

主人公の凄腕の殺し屋である佐藤明の愛銃が、コルトM1911系のカスタム拳銃であるナイトホークと言うのも渋いのですが、いまいまであればもっと新型の拳銃を選択するのではないか、とも感じなくもない今日この頃です。

(C) 南勝久・講談社/アニメ「ザ・ファブル」製作委員会

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