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「腸チフスのメアリー」って知ってますか?

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パンデミックの現在、オカルトチックでけっこうおもしろい話があるのでご紹介しますね。

メアリーが行くところ行くところに、腸チフス患者が発生し死者も出たが、メアリー本人は不思議なことに腸チフスの症状が出なかったのです。
しかしあまりに患者さんが出るため検査すると、メアリーは腸チフスの保菌者だったということなんですね。

このメアリーは、じゃがいもの病気が蔓延して不作となって起こった「アイルランドのじゃがいも飢饉」で、アメリカ移住するアイルランド人が多かったのですが、メアリーもその一人でした。

1884年に14歳でアメリカへ移住し、その後ニューヨーク近辺で住み込み料理人として働くように。
しかし20世紀初頭に腸チフスが流行し、メアリーの雇い主の家でも患者が出たのをきっかけに、メアリーが勤め先を変えるたびに周辺に腸チフス患者が続出し死者まで出たのです。

衛生士が調査してメアリーが原因と突き止め、検便などのサンプルを求めたが、激高して拒否したメアリーは警官にタイホされ、衛生局で検査して保菌者と確定、隔離されました。
しかし当時はまだ健康な保菌者キャリアについてよくわかっていなかったこともあり、メアリーはまるで現代のアメリカ人そのもののように訴訟を起こして無実を主張、自分に有利な検査結果を出したりしたが結果的に敗訴、しかし条件付きで隔離から解放されたそう。

 1909年ニューヨークアメリカン新聞の記事
Unknown artistUnknown artist, Public domain, via Wikimedia Commons

食料品を扱う仕事につかない条件だったのに、雲隠れしたメアリーは数年後に再び腸チフス患者が続出したところで発見されました。
なんとニューヨークの産婦人科病院で、偽名を使って調理人として働いていたということで、この病院では腸チフスで25人の感染者と2人の死者が出たということなんです。

いくらなんでもひどすぎる、保菌者以外にも問題抱えた人ではと思うのですが、その後のメアリーは23年間、亡くなるまでノース・ブラザー島の病院に隔離されたということです。
メアリーは死後解剖されて、胆嚢に腸チフス菌の感染巣が見つかり、本人には症状が現れず便に混じって排出され、メアリーの手指などに付着、不潔な手で調理した食事から感染したと判明、以後、調理に携わる人間は検便を義務付けられることになったのですね。

ところで数年前、「アンフォゲッタブル」というニューヨークが舞台の犯罪捜査ものの海外ドラマで、このノース・ブラザー島の病院が登場しました。主人公の「ここが腸チフスメアリーの隔離されたところね」と気味悪そうに今は廃墟となった病院のなかをのぞくシーンで、一挙にメアリーが現実的に見えましたわ。

また「アウトランダー」シーズン3の10話でも、20世紀から18世紀にタイムトラベルした主人公で医者のクレアが、腸チフス患者で蔓延したイギリス海軍の船の中で格闘しました。
イギリス海軍といえばのラム酒で消毒して清潔を保ち、患者たちに栄養ある食べ物を与え、それでも患者が減らないために調理人の飲んだくれおっさんを保菌者と断定して隔離、船を救ったのですが、これって腸チフスメアリーが元だよねと思いつつ、男前のクレアの活躍をたたえたものです。

昔はオカルトな話と思っていたけど、まさか海外ドラマに出て来るとは、新型コロナで身近に感じるとは思わなかったですね。

eyecatch source:Unknown artistUnknown artist, Public domain, via Wikimedia Commons

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