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人間の想像力が辿り着く「原点にして極致」瞬間移動(ワープ)

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時間も距離も飛び越えて、一瞬で目的地へと移動する。
古くは神話に描かれる「神速」の神や英雄に始まり、仙術道術には「縮地」や「奇門遁甲」が見出され、意にそぐわぬものなら「神隠し」や「天狗の仕業」まで。
「ワープ」という言葉が姿を現すよりもずっと昔から、人類が夢見て来たものだったと言えるかもしれません。

そんな夢を追い掛け続け、より高く、より速く・・・宇宙空間にまで手が届こうという時代になっても、未だその入口を遠くに眺めるだけ。或いは入口が見えているからこそ「手が届かない事を思い知らされる」ものになっているとも言えるのが「ワープ」という存在ではないでしょうか。
とは言え「手が届かない」だけで諦めてしまうには魅力一杯、例え想像の域を出ないとしても想像せずには居られない・・・そんな「夢」の超技術、その姿を探ってみたいと思います!

目次

「ワープ」内実を捉えるなら、まずは「普通の移動」

「移動」するという事…ある場所から別の場所へと何らかの形で動く事は、生き物であれば安全な場所を確保し、生存に欠かせないものを得る為に行う事。
或いは生殖を行う為に都合の良い場所を選ぶなど、およそ「生きる」という事と不可分であると言えるでしょう。

一見身動きの取れない植物や生存圏を固定してしまうある種の甲殻類といった生き物ですら、版図を広げる為に何らかの形で移動する方法を持っています。一生の内限られた時期は移動出来る姿を持っていたり「生き物」と言える存在が「全く移動しない」という事は一概に「有り得ない」と言ってしまえる程のものです。

それは現在考えられているとされている範疇において、あらゆる物理的存在は「何処かへ飛び去ってしまう」ものへと最終的に還元されてしまう事と不可分なのかもしれません。
と、少々脱線気味の導入となりましたが、まずここでは「移動」という行動が物理的な存在にとって不可分と言えそうな程に根源的な行動であるとする観点から始める事とします。

これは「ある座標から別座標へと移動する」という「移動」の本質こそ同じであるとしても、その方法は形態や性質に関連して様々なものが有り得るという事の示唆であると言えます。
場合によってはその中に「ワープ」というものがあるかもしれないという着想の出発点とする事が出来ます。

「移動」という行動を考えた時、通常必要となるのは「自重を動かす」だけの「推進力」であるという事になります。

移動と推進力

人間を含めた生き物であれば「歩く」や「走る」が最も基本的な「移動方法」という事になりますが、これは「筋力」と「重心移動」を推進力として用いるもの。体内に蓄積した糖や脂質を呼吸によって推進装置である筋肉の伸縮サイクルへと移行させる事で、自重を支えて動かすだけの強力な推進力を得る方法です。
つまり「自重」に対して「推進力」に用いられるだけの「筋力」と「エネルギー量」がどれだけあるかという「エネルギー効率」の問題によって、移動出来る距離や速度に制限が掛かっていくという事になります。

これに身体構造の問題等を加味していくと、人間の場合、成人男性の平均走行速度は時速9km程、条件や道具を整えた場合の最高速度で現在記録されているのが時速40km程度だとされています。

これはウマ(特に競走馬)やダチョウ、チーターといった走る事に特化していない陸上生物の平均的な最高速と言える「時速40km~50km」程度のラインに収まるもので、ごく大雑把に陸上生物の一般的な移動限界の目安と言って良いかもしれません。

そしてこの「限界」を良しとしなかったのが他ならぬ人間であり、自然の事物や自らの肉体を研究する事で、更に速く、より遠くへ移動する方法を想像し、或いは模索しました。

速さの追求

結果の一つと考えられるのが「縮地(術・法)」や「奇門遁甲」等に現れる「術」や「秘法」とされるものです。
ここで挙げたものは、いずれも古代中国、少なくとも明代以前には理論として完成し、広く巷間にその存在が知られていたであろうと見られるもの。古くより「三国志演義」等にも描かれた「スーパースター」であった「諸葛孔明」が「八門遁甲(奇門遁甲)」の名手であり、その軍略の中に「縮地」を用いて遠く離れた戦場を支配した等と言う物語が描かれたりもしています。

これらの「術法」は、究極的には「仙道」、即ち「仙人」のように天地自然と同化を果たして超自然的な働きを示す事を到達点とするものも含まれます。一方で現実的な「技術」として身心を鍛え、或いは自然科学のように現象を利用する事で一見不可解とも取られる効果を得るものもあるとされます。

例えば「奇門遁甲」は、元々「方位」や「地の利」を見定める「占術」として体系化されており、これを神仙の域にまで極める事で「地脈の気を用いて高速で移動する」といった事も可能になる等とされる説もあります。
ただ、見方を変えればこれは自然の読み解き方に通じる事で、一見して通行出来ないような場所を安全に、しかも大量の人員や物量を通す事が出来るようになる高速移動(知識が無い者から見れば瞬間移動したかとすら思える?)を可能にする知識だとも言えるものです。

「縮地」であれば、自らの身体を鍛え、上手く走る為の歩方や呼吸法などを最適化する事で、常人が走るよりも遙かに速い速度を出して移動する事が可能になる技術である、という事も考えられます。

これは修験道の修行として、険しい山中を駆け抜ける「奥駈(おくがけ)」と呼ばれる修法が現代でも受け継がれています。その様子などを見ると超常的な練達者であれば文字通り「地面を縮めた」とでも表現する他無いような速度を出せるのかもしれない等と思いを馳せるようなものとなっています。

ここまでの事について「移動」とは、原則的に「自ら主体的に何かを仕掛けて動く」ものだという事が概して言えるという事になり、これらが遠隔地にまで瞬時に移動するものを「テレポーテーション(瞬間移動)」として、大まかに「ワープ」とは区別するものとなります。

「ワープ」と瞬間移動(テレポーテーション)等との違いはなんなのか

まず「ワープ(warp)」という言葉は「歪める」という意味を持つ語であるとされます。これはその思想的源流と見られる19世紀の数学者であり作家「ヒントン」が著書「第四の次元とは何か」において「平面上の離れた2点は平面を曲げれば隣り合った2点になる」という概念を説明しているとされる。
この時点で「(空間を)歪める」という言葉のイメージが成立していると考えられます。

ちなみにこの観念は、日本において「藤子・F・不二雄」氏が1968年に「21エモン」で「ワープ」という言葉と共に紹介したとされ、これが日本での「ワープ」という用語及び概念の一般化に先鞭を付けたとされます。
この「何らかの形で空間を歪曲させ(もしくは元から歪曲しているポイントを探し)潜り抜ける」という形は「宇宙戦艦ヤマト」の「ワープ航法」や「超時空要塞マクロス」の「フォールド航法」等がそれに該当すると言えます。

一方、アメリカにおいて「ワープ」という言葉を一般に浸透させたとされる「スタートレック」では、その原点として「超光速航法」とも呼ばれる「亜空間推進型」とされる方式が採用されました。

これは簡単に言うと移動する対象の前方空間を収斂させ、後方空間を膨張させる事で、空間を「波立たせる」ようにして推進していくというもの。特殊相対性理論における「空間の膨張・収縮速度は光速を越えられる」というアイデアを利用したものだとされています。

「スタートレック」において

「スタートレック」においては、これに通常空間では特殊相対性理論が不可解な現象を起こすという問題を「亜空間」といった「特殊な場」を形成する事で防護しつつ、推進力だけを得る事が出来るという事にしたもの。
これが「空間を歪ませる(warp)」という言葉の元になったという設定も盛り込まれています。

なお「スタートレック」は人気を得て長大なシリーズが何作も作られる「歴史的長編」となった事で、その後「広大な星間を様々に旅する」物語が編まれた結果。
その過程で新たな「ワープ」技術や方法が提案されては、破綻を招いたりする事で封印されるなど「ワープ理論」に関する思索の場ともなっている作品であるとも言われます。

分けても興味深いと言えるのは、現実の物理学においても思考実験として議論が為されている「アルクビエレ・ドライブ」の提案に一役買ったという所でしょう。
これは上述の「亜空間推進型」を通常の時空においてアプローチ出来るとした理論であり、実現には「負のエネルギー」等、現実では確認されていないものを想定しなければならないという問題を抱えてはいる。
その現象については理論上で説明可能であると見られている「比較的現実的」なものであると言えるまでに議論が積み上げられているものとなります。

「ワープ」とは

以上「ワープ」とは「周りの空間などを歪めて推進力を得る、ないし移動先を近づける」方法論であり、荒唐無稽な話を出発点にしているとは言え、人々の関心を集める事で議論が進められてはいる「知的好奇心の場」となっている事実も確かに存在している事に触れてみました。

速く、遠く、見た事も無い場所へ行ってみたい。
そんな人間の好奇心が、こうやって育まれて何時か宇宙へも飛び出していくのかもしれないと思えば、幾つも生み出される想像の産物を見る目も少し変わってくるかもしれません。
そんな興味の一助となれば幸いです。

「ワープ」・・・それは「バリア」と並んで何時しか現代の子供が覚えて「しまう」ものの一つではないでしょうか。筆者もその「初めて」は覚えていません。一体誰が教えてくれたんでしょう?

※画像はイメージです。

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