私は田舎に住んでおり、会社に行くためには山を一つ越えなければいけません。
通勤時に体験した・・・忘れる事のできない話です。
風邪気味の朝
その日の朝、風邪気味で運転中に気分が悪くなってしまい、山の頂上付近で休憩することにしました。
狭い山道で路側帯なんてありません。普段は人が入ってこない側道に入って車を止め、少しの間目を閉じてうずくまり体調が良くなるのを待っていると、音が聞が聞こえて他の車が後ろに止まったのが見えたのです。
たぶん同じ様に休憩しているのだろうと思っているうち、私は具合の悪さから少し眠ってしまったようで、次に意識が戻った時には既に車はいませんでした。
それからだいぶ具合が良くなり、会社に遅れると連絡の電話をしながら、ふと不思議に感じたのです。
それは、あの車が私の車を通り過ぎて先に行くのではなく、来た道を引き返して行った事で、山道は一本道で迂回路もありません。つまり、あの車はこの頂上の側道に来るために山を登ってきた事になります。
大きいカバン
なんとなく不思議に思い、車を降りて様子を見てみました。
周辺は私の車以外に何もありませんが、ガードレール脇の草むらの奥に何かがあることに気がついたのです。
なんだろうと思い、よくみてみると大きな黒い旅行カバンで、まだ新しくずっとそこにあった物ではない。もしかしたら、このカバンはさっきの車が置いていったのではと思い、よく見てみようと少しづつそのカバンに近付いていきました。
カバンに3メートルくらい近づいて、あることに気がつき、すぐに車に戻り一目散にその場から離れました。
何故かというと、そのカバンのファスナーが開いた隙間から黒い何かがはみ出しているのが見えたのです。
それはおそらく髪の毛で、それを見た時、本能的に見てはいけないものだと悟ったからでしょう。
一体何のため?
仕事帰りにもう一度通った時にはもう、カバンはありませんでした。
もしあの車が置いていったとして、一体何のためにカバンなど置いて行ったのだろう?
そしてあのカバンは誰が持って行ったのだろう?
カバンから見えていた物は、カツラか髪の毛に見えるような他のものだったのかもしれません。
しかし、あの時のゾッとした気持ちは今でも忘れられません。
これはあくまで私の妄想ですが、あの場所は非合法な物の受け渡し場所だったのではないでしょうか?
あの場所に停まる車はほとんどないと思いますし、人も絶対に来ないような場所です。
もしかしたら、本当はカバンを受け取る車が他にいて、私の車を間違えて置いて行ったのではないでしょうか?
※画像はイメージです。
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