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赤いドレスの女

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都市伝説は、私が愛してやまない現象の一つで、人の噂が噂となってわたり好奇心を刺激する。
その中には時に真実が混じり、時に虚実が真実となる。
これからする話も、そういうものである。

目次

赤いドレスの女の噂

私は一時期、赤いドレスの女を探していた・・・きっかけは、某巨大掲示板に書かれていた噂である。
掲示板の書き込みは要約すると、このような内容だ。

駅近くの繁華街で赤いドレスを着た女が立っている。
ほとんどの人間は気付かず通り過ぎて行くあたり、赤いドレスの女は見える人間と見えない人間がいるようだ。
赤いドレスの女は繁華街をさまよい歩いているのだが、自分の存在に気付いた相手を見つけると近寄ってくるのだという。そして、赤いドレスの女を前にすると金縛りにあったように動けなくなるのだそうだ。

掲示板に書き込んだ主は、友人に手を引いて助けられている。
そのため、赤いドレスの女に捕まるとどうなるのかは、はっきりわかってはいない。

赤いドレスの女を探すわけ

私がなぜその女を捜していたのかというと、件の繁華街に覚えがあったからだ。

掲示板に書かれている場所は、霊感を自称する占い師の間で「何かある」「危ないから行きたくない」とよく言われていて、酷似していたからだ。
噂に近いような、痩せぎすで黒髪の女もよく見かけ、ひょっとして赤いドレスの女は、その女の事ではないのだろうか。

そう考えた私は、件の繁華街に出向いた。
あいにく私には霊感がないのだが、霊感がないからこそわかる事もあるだろう。そう考え周囲の様子を眺め、様々な場所から写真をとってみたりもした。
結局のところ、私は一度も赤いドレスの女と会う事は出来なかったのだが。

消えてゆく赤いドレスの女

その後も、件の繁華街についての噂は赤いドレスの女とともにしばしば語られるようになっていた。
痩せぎすで黒髪、赤いドレス。
噂もますます過激になり、逃げ切れなかったら殺されるなんて物騒な終わり方をするパターンも語られるようになっていた。

しだいに噂は下火となり、巨大掲示板の書き込みもめっきり減って、噂を知る人間も少なくなったのだろう。
そして、現在。私の記憶からも赤いドレスの女は半ば消え去っていた。

元々、巨大掲示板に書かれた都市伝説の類いだ。誰もが面白半分に聞いて、半信半疑で伝えていたものだから、伝える人間がいなくなれば、自然と消え去るのも普通だろう。

SNSで現れる赤いドレスの女

私も同様にすっかり忘れていた頃、SNSでとある一文を目にした。
赤いドレスの女を見た、そう言い出した夫が二日後に死んだ、といった内容だった。
SNSにはその話を裏付けるかのように、多くのリプライがついていた。

私の知り合いも、事故で昏睡状態になった時、傍らに赤いドレスの女が立っていたという。
死ぬ前の親戚も、赤いドレスの女について話していた。

SNSで次々と現れる「赤いドレスの女」の報告を見て、ぼんやりと思う。
赤いドレスの女は、いなくなったのではない。居場所を変えたのだろう。

赤いドレスの女とは

そもそも、最初の噂では彼女は赤いドレスなど着ていなかった。
痩せぎすで黒髪の顔色が悪い女という話に、気付いた時には赤いドレスが着せられていたのだ。

赤いドレス女は、つまり噂から現れた女で、死の淵に立つ。
言霊という言葉があり、時として思いが力になる。

だからきっと言葉から生まれた怪異が現実に現れる、そんな事がおこっても不思議ではないのだろう。

噂が書き込まれた当時、私は都会で占い師をしていた。
占い師というのは何かとオカルトの話を聞く機会が多く、霊感があるのを主張、あるいは自負している占い師も少なくはない。

※画像はイメージです。

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