オレはどこ行っても「まぁまぁ怖ぇやつ」って言われてるから、ちょっとした心霊スポットとかも平気で行くほうなんや。でもこの前、ちょっとヤバい経験した話があんねん。
その夜、ツレのヒロシが「やっべーとこあるんやけど、行ってみね?」って話持ちかけてきたんや。お互い負けん気強いやん?行くっきゃねぇってなって、夜の11時過ぎに家抜け出して、ヒロシのチャリに二ケツして向かったわけよ。
そしたらそのスポット、廃れた病院やねん。もう外観からして不気味やん。「うわ、これマジかよ」ってなったけど、オレは「ビビんなよヒロシ」って強がりながら、思いっきり踏み込んだんや。入った瞬間、床が「ギシギシィ…」って鳴り始めて、マジで足元震えたで。で、ちょっと奥進んでみると、「カツン、カツン」って誰か歩いてるような音が遠くから聞こえてくんねん。
ヒロシも顔引きつって「おい、誰かおるんちゃう?」とか小声で言うてんけど、オレも内心ビビってるから「いや、風やろ」って冷や汗ダラダラで誤魔化したわ。
で、さらに奥行ったら、廊下の突き当たりにある診察室のドアが「キィィ……」って開き始めてん。そしたら「中からヒュルヒュルって音がするやん?」
オレ、もうこれ以上無理やって感じたけど、ヒロシに「お前先行けや」とかイキって言ったら、「お前が行けや!」とかキレ気味で返してきよんねん。
しょうがねぇから、オレ先に入るフリしてヒロシ置いて、ダッシュで廊下戻ってきたんや!
そしたら背後からヒロシが「おいケンジ待てや!置いてくなや!!」って叫んどって、ガタガタ走る音が響いとったわ。でもオレは止まれへん!だって、廊下の端のほうに白い影みたいなんが「ボワァァ……」って浮いてんの見てしもうてん!
全速力で病院から飛び出して、ヒロシのチャリぶん取って一人で全力でこぎ出したった。途中でヒロシの叫び声聞こえたけど、振り向く気も起きひんかったわ。
外に出てから、「ヒロシ、すまん!」って思ったけどな、自分の命が一番大事やん。
家帰ってからしばらくしてヒロシから電話かかってきて、案の定めちゃくちゃ怒られたわ。
「お前マジで置いてくなよ!怖ぇ思いさせやがって!」とか言われて、最初は「うっせぇな、ビビりやがって」って返したけど、心の中では自分もビビってたから言い返せんかったんや。
※画像はイメージです。
思った事を何でも!ネガティブOK!