介護福祉士として病院で働いています。
勤務している病院は70年近く経営している古い病院で、たくさんの地域の方になじまれて、ここで生まれて亡くなった方も沢山いる程なのです。
昼間は多くのスタッフがおり賑わっていますが、夜間はスタッフが各フロア3~4名。シーンと静まりかえっています。
ある夜勤で勤務していた日の出来事をお話します。
目次
あと少しで帰れる・・・けど
私の病院では16時半から次の日の朝9時15分までが夜勤勤務の時間です。
業務内容は、患者さんの配膳下膳、オムツの交換や体の向きを変える、ナースコールの対応等。
それ以外にも患者さんが亡くなった場合は、着替えをしたり体を拭いたりする事もあります。
朝の8時過ぎ、「あと少しで帰れる!」と思いながら朝食後の下膳をし、入れ歯をして朝食を食べる患者さんもいるので、廊下の真ん中にある洗面所で入れ歯を洗っていました。
そうしているとの鏡に何かが映り、よく見ると入れ歯の持ち主の患者さんです。
自分で取りにきたとおもい、「ん?」と思い後ろを振り向くと何もありません。
また前を向いて鏡を見ても、何も映っていません。
よく考えてみれば
よく考えてみれば、患者さんは絶対に映るはずがないんです。
容態があまり良くなく動き回ることはもちろん出来ません、病気の影響で車椅子でしか移動が出来ない為、立って鏡に映るなんて事は不可能です。
不思議に思いながら患者さんに入れ歯を返し、ちょっと話しをした後に帰宅しました。
その患者さんは、その日の昼間に亡くなってしまったのです。
最期に病院内を見て回っていたのかな?と思うと、優しいおじさまだった事もあって怖くはないですが、不思議な気持ちになります。
※画像はイメージです。
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