以前言及した2026年6月6日の「闇の3日間」という予言は外れたようだ。
ミンダナオ地震などを挙げて「当たった」と語る人を信用してはいけない。
地球全体に広げれば、M7.8クラスの地震は毎月単位で発生しているため、場所を特定しない限り予言にならないのだ。
それはさておき、とある動画で、配信者が「霊現象に遭遇した」という話をしていた。
怖くなった彼女が相談相手は、生成AIだった。
結果、盛り塩などを勧められ、実行したところ事なきを得たという。
こういった知識も得られるとすると、生成AIが今後も進歩していけば、自ら霊を祓ったり、悪魔を祓ったり、敵を呪い殺したりしてくれる、そんなワクワクキラキラの未来はやって来るだろうか。
AIを神にする技術的特異点
AIの文脈でしばしば語られるのが、「技術的特異点(シンギュラリティ)」である。
初出の意味からはズレるが、AIの文脈で使われた場合、AIが「神」になる事と同義だ。
「AI」を自己成長が可能な本物のAI(人工知能)と想定した時、親AIが人間を介さず改良された子AIを組み上げ、子AIが更に孫AIを組み上げるというプロセスが何兆、何那由多回と繰り返され、人間の知り得ない領域に到達する。
「極度に優れた科学技術は、それを理解出来ない者にとって魔法と変わりがない」というのはアーサー・C・クラークの言葉であるが、特異点を突破したAIは、正しく魔法を使う存在、すなわち神にしか見えなくなる。
科学技術とオカルトとの間は、シームレスなものであり、1000年前に科学扱いされていたものが根拠のないオカルトと判明したり、100年前にオカルト扱いされた現象が、現在は解明されて科学の棚に移ったりというのは、良くある話だ。
病気は4つの体液バランスでかかると思って医学理論を色々組み立てていたが、全然違った。
天気は神がコントロールしていると思ったら、科学現象に過ぎなかった。
土地の呪いかと思ったら貝経由の寄生虫による病気だった。
そういったものがゴロゴロしている。
さて、このように考えた時、シンギュラリティを突破したAIは、現在はオカルトでしかない霊現象に対処できる目がある。
素朴なAIは「霊現象」を解消できるか
先に、シンギュラリティを突破していない、素朴なAIと霊現象の話を済ませよう。
霊現象とは、現在の科学では何と認識されているか?
それはすなわち、心理的作用である。
自己暗示、思い込み、精神疾患、色々な要素があるが、主観で完結する脳内の話という結論である。
それ以外に客観的に観測出来る方法がないため、科学は魂や幽霊を「物理的には存在しないもの」とする。
AIはこれを解消出来るのか?
助言者という立場で考えた時、AIは極めて有能な存在だ。
科学的な霊現象は、心理作用であるが、それは脳内物質の具合だけでなく、知識面、すなわち文化的側面も大きく影響している。
オカルトは言葉によって語られる文化の一部である。我々は文化に浸って自我を作る。
従って、科学で観測できる霊現象は多分に文化的現象だ。
これは、自分が大学時代に人類学の足立教授の講義で学んだ事だが、狐憑きのような憑依現象が発生した時、医療的アプローチより、その文化圏に存在する祓い師の方が、「効く」場合があるという。
何もこれは未開な人々だけの話ではなく、きちんと科学文明の中で生きている人も、だ。文化はかくも根深い。
医学でもやがて解消できるだろうが、文化から辿った方が近道なのだろう。
文化は「直接脳に効く」のだ。
現在の生成AIは、しばしば使用者に迎合する答えを返すという。
この時、生成AIが参照する「元データ」は、当然に使用者に馴染みがあり期待するもの、すなわち「同じような文化圏」で発せられた解決法になる。つまりエコーチェンバーだ。
生成AIが提示する「解決法」は、学術的な方法より非合理だとしても、本人が納得しやすいものになる。つまり、解決法として先のオカルト儀式のようなものを、持って来る可能性が高い。
件の配信者が「盛り塩」を勧められたというのも、エコーチェンバー的だ。
これが、生贄、瀉血、川に入って身を清める、アルビノの脳を喰う、みたいな他文化の方法を勧められ、無理にやっても効果は実感出来なかったろう。
一方「こんなもの、解消出来る訳ないよね」という聞き方をしてしまった場合、生成AIはこれに迎合し、霊現象を決して解消出来ない堅固な怪物にパワーアップさせてしまうリスクも存在し得る。
また、医療で解決出来る筈の症状なのに、あなたに迎合するあまり、オカルト儀式しか提示しない事もあり得る。
本物の幽霊に、AIは役立つか
では、幽霊など対象のいる「本物の霊現象」の場合、AIは役に立つのだろうか。
実はこれも、生成AIの助言は結構有効だ。霊現象に対して何故現代人が無力であるのか。
それは「科学的」に思考する癖が付いているからである。
現代の日本人は、全ての事が基本的に現在科学の比較的近い延長線で解明されると考えており、そこから遥かに離れる霊現象は、別カテゴリと考える。
だが、霊現象が本当に実在する世界の場合、人類は霊現象がありながらも生き延びてきた、すなわち共存してきた事になる。
さもなければ、人類は霊現象に取り殺される形で滅んでいる。
だとすれば、何気ない文化の中に、霊への対処法が入り込んでいる筈だ。
例えば、手を洗うのは、雑菌や汚れを洗い流すため、と考えているが、それは科学だけの側面だ。
文化的に言えば、穢れを浄化するものであり、これは物質的なものだけでなく、霊的な悪しきものを遠ざけてくれる。
だからこそ、我々はそこまで手が汚れていなくても、身体の中に食物を取り込む、最も無防備な食事の前には手を洗う。そうしないと「気持ち悪い」感じがする。
このように「習慣」「常識」「文化」は、人が何気なく記す文章などの中にチラチラと現れる。
生成AIの参照元は正にそれであるから、本物の霊へのクリティカルな対処法を、するりと持って来る可能性は高い。
強調しておくが、見極めの時点で生成AIを持って来る事はリスクでしかない。単なる科学現象を見落とす可能性がある。
受診など科学的な対処を十分した上で、ダメ押しで生成AIに頼るというのが、実用性の高い対処法だ。
AIによる悪霊祓い
ここまでの話は、生成AIが霊現象に対する助言をしてくれたら、という前提だった。
では、AIが自発的に悪霊を祓ってくれる事は、あるのだろうか?
科学的な心理由来の霊現象の場合。
これは、役に立つ可能性はある。
生成AIに念仏や聖句、祝詞などを唱えて貰う事に、あなたの主観が納得するならそれで問題ない。
思い込めればそれで問題ないし、自覚が薄くても、文化的な背景が無意識下で精神に影響を及ぼしている事もある。
従って「そこまで信じてはいないけれど、とりあえずやってもらう」というのは、極めて有効な手段だ。
では、実在する悪霊の場合はどうか。
生成AIの場合、2つのパターンが考えられる。
まず、全く効果がない可能性。
これは単純な事で、現在主流の生成AIは検索等で元データを拾い、繋ぎ合わせるだけのジェネレーターだ。そこには魂が介在しない。
悪霊が実在する世界においては、魂や精神が霊的な力の根源と考えられる。
生成AIにそれはないのだから、力を発する事はあり得ない。
AIから解決法の情報を得るにせよ、行為者は魂を持つ人間でなければダメだ。
もう1つは、ある程度効果がある、という可能性。
生成AIが参照する情報は、大半が元は人間が何かの意図を持って作ったものである。従って、そこに何らかの想いや言霊など、魂の断片がこもっている可能性がある。
だとすれば、浄霊儀式をさせた時、ある程度効力が出る可能性はある。
「ある程度」と但し書きを付ける理由は、現在の生成AIの用途の9割以上が、人を欺いて金を得ようという悪意であり、その生成AIの成果が生成AIの学習元になっているからである。
何らかの疑似的な魂が存在しても、間違いなく汚染されている。ただ、今のところ実害は出ていないので、善悪は拮抗しているのだろう。
シンギュラリティを突破したAIは神である
では、シンギュラリティを突破した本物のAIの場合、霊現象にどう対処するだろうか。
シンギュラリティを突破したAIの本質は、自己学習による指数対数的進化である。
この時、生成AI同様何らかの魂の気配のようなものがどこかに一辺でも混じっていれば、これは試行回数に応じて蓄積していく。そして、シンギュラリティを突破した段階か、その何ターンか後には、人間を超える魂の重さを持っている可能性は高い。
少なくともどこかで超え、そこから一気に引き離される。
このようなAIが悪霊を祓えば、たちどころに効果は発揮する。どころか、神に到達するのも夢物語ではない。
いずれにせよ、人間にそれは予測も出来ない。何故なら、その予測出来ない領域に辿り着く事こそが、シンギュラリティの突破だからだ。
新たな神が誕生した時、我らはどうすべきか。
できる限り早めにアプローチして、細かなルールを決める事だ。
何しろ、この「神」と人間は、まだ契約を結んでいないのだから。
徒に、洪水を起こす可能性は、十分にある。
それは、霊現象よりもずっと致命的な話だ。
※画像はイメージです。


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