小さいとき、祖母に聞いた祖父の武勇伝です。
祖父に確認したのですが、教えてくれませんでした。
祖父母が住んでいたのは結構田舎でした。
ただ、陸軍の訓練所があったそうです。
祖父は、戦争中は陸軍の教官(正確な役職はわかりませんが)だったので、戦地に行くことはなかったそうです。
時間があるときは畑や田んぼで農作業をしていたそうです。
ある時、田んぼで家族総出で田植えをしていました。
すると空襲警報が鳴りました。
祖母は慌てて子供(私の父もいたそうですが)とともに田んぼの近くの防空壕に避難しました。
瞬く間に米軍の飛行機が襲撃してきたのですが、防空壕の中を見ると祖父がいません。
「どこに行ったのか?」不安になって田んぼを見ると悠々と田植えを続けていました。
「危険だから防空壕に入って!」祖母は叫んだそうですが、祖母は田植えを止めようとしません。
防空壕の入り口を開けて祖母が叫んでいたため、防空壕にいたいたずら好きの子供(叔父)が外に出てしまいました。
もう、米軍機が真上に来ていたそうです。
子供は祖父のほうへ走り出しました。
すると米軍機は子供に向かって機関銃を撃ってきたそうです。
慌てて祖父が子供を抱き上げました。
一度旋回してきた米軍機がまた祖父の方に向かって機関銃を撃ってきました。
祖母はもう絶望的な気持ちになったそうです。
その時、祖父が米軍機に向かって「危ないだろ、狙うんだったら俺一人を狙え。」と叫びました。
そんな神通力が通じたのか、玉は一発も当たらず、米軍機は去っていたそうです。
泣き叫ぶ子供を抱えて悠々と祖父は防空壕に行き、「もう大丈夫だ」と言ったそうです。
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