海上自衛隊にある艦船の中で珍しい、ただ1隻しかない船が特務艇「はしだて」です。
この「はしだて」が2024年5月に広島県呉市へ来航、一般公開されました。
特務艇「はしだて」
特務艇「はしだて」は護衛艦や油槽船など数ある海上自衛隊の艦船では特異な船です。
まず「はしだて」は海自の船ですが、護衛艦のように武装はありません。
また、輸送艦のように何かを運ぶ能力もありません。潜水救難艦や試験艦のような独特の装備があるような船でもありません。
では「はしだて」はどんな船なのか?
「はしだて」は賓客を招いての式典や会食・親睦会などレセプション会場となる船、つまり海の上の迎賓館と言えるのが「はしだて」です。
実際に防衛大臣や海上幕僚長・地方総監が主催する「洋上懇談会」が「はしだて」で開催されています。
その「洋上懇談会」には海外の要人や政治家、自衛官の募集や再就職支援に功績がある民間の方などが招かれます。
そんな「はしだて」は1999年(平成11年)に竣工、横須賀地方隊の横須賀警備隊に所属しています。
特務艇「はしだて」諸元
全長:62m、全幅:9.4m、基準排水量:400t、速力20ノット、乗員29名
呉で公開された「はしだて」
2024年(令和6年)5月24日と翌日25日に広島県呉市で「はしだて」は水中処分母船4号と共に一般公開されました。
場所は大和ミュージアムの横にある宝町岸壁、民間の港に停泊する「はしだて」はあたかもクルーズ船や客船のように見えます。
「海の迎賓館」と呼ばれるだけあり、その外観は上品だ。岸壁に入り、「はしだて」に乗船する。
「はしだて」の船内には海自の制服を着た自衛官が居るものの、白を基調にした船体、丸く作られた部分もあり木製の甲板とベンチのような椅子が甲板の端にある「はしだて」
海上自衛隊の艦船といえば、急な階段や機器が並ぶ機能重視で外観は灰色で塗られ重厚感が出ていますが、「はしだて」はまさに客船のようなゆったりした雰囲気を感じます。
どこもリラックスできるような作りで自衛隊の船に乗っているとは思えなくなります。
とはいえ、この船が一般人が乗る船とは違うと感じたのは船内にある会議室です。
ホテルの様な受付の奥には企業の会議室と同じ机やイスが並べられています。この会議室が「はしだて」がレセプションやパーティをするだけの船では無い事を物語っています。
政治家など要人に、幹部自衛官や外国軍の将校などが仕事の話をしているであろう「はしだて」の会議室に、レセプションや人をもてなす為の作りになっている「はしだて」は海上自衛隊もとい海軍が持つ外交的な面を表すような船と言えます。
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