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「名声は得るに難く、失うに易し」 ヘロストラトスとは?

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人は多くの人に称賛を浴びるほどに名声を得たいと思いますが、容易で手に入るものではありません。
得ようとすればそれなりに苦難を伴い、苦心の末に手に入れた名声をは非常にもろく、そして簡単な事で破滅へと向かってしまう事も。
永遠の不名誉を歴史に刻んでしまった人物を紹介したいと思います。

目次

彼の名前はヘロストラトス

その人物は紀元前356年の古代ギリシャの時代に存在していました。
彼の生きていた当時のローマ社会に置いて、人から評価されて名声を得ることは、人生最大の目標とされていました。
ローマ繁栄の時代を生きた様々な偉人達は、様々な形で名声を得て、尊敬と羨望を抱かれた。当然ヘロストラトスも、その一人でした。

しかし彼はただの羊飼いで、明晰な頭脳を持つわけでもなく、あらゆるものを生み出す優れた才能があるわけでもなく、いかなる強敵勝利する知恵と腕力に優れているわけでもない・・・ただの凡人でした。

ではなぜに後世に名前が遺ったのか?

凡人の彼が唯一に成した事。
後の世に残る事となる行為を行った事、それは許しがたい悪事だったのです。

ヘロストラトスが後世に歴史に名を遺したのは、エフェソス「現在はトルコ」にて建設された、月の女神アルテミスを讃えた神殿を放火した事でした。神殿を放火したのは、自分が死んだ後も後世に名前が遺される為に、神殿を放火してしまったのです。紀元前356年7月に、アルテミス神殿は業火に包まれ、市民達の懸命な消火活動も虚しく、多くの犠牲者を出し、神殿は永遠に消失してしまったのです。

彼の刑罰

彼は、これだけの悪事をすれば名前が後世に残ると思っていたのですが、古代ローマにおいて最大の刑罰とも言えるダムナティオ・メモリアエが課せられてしまいます。

これは「記録抹殺刑」と言い、後世に記録を残す事を許されず、また彼に関わったすべての記憶や記録をすべて抹消。彼を知る人々は語る事を許されず、また家族ですら、その存在を無視しなければいけない。存在自体が無かったことにされ歴史から消されてしまう刑罰だったのです。

しかしヘロストラトスの名前は後世に

それはローマの哲学者であり、歴史学者、地理学者でもあった「ストラボン」が、この事件をうっかりと歴史書にまとめてしまい、皮肉にも歴史に名前を遺す事になるのです。
後に「ヘロストラトスの名誉」と称され、名声を得たいがために愚かしい行為をする事を呼ぶようになり、愚か者として後世に名前を遺す事になったのでした。

最後に

現代においても、彼の名前は残り続けております。名声を得たい、有名になりたいとする欲望は絶える事は無く、承認欲求として、さらに広がりつつあります。
それは、多くの人々の心を歪め、犯罪へと駆り立て、ネットを利用して悪名を広げています。いつかこの承認欲求と売名行為が、ヘロストラトス・シンドロームと呼ばれてしまう日が来るかもしれません。

悪名だけが後世へと遺り、永遠に逃れられない悪行が記されてしまったヘロストラトス。
虚栄の悪魔に食われ、己を見失った、哀れなる人物だったのかもしれません。

※画像はイメージです。

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