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2025年7月に大災害が起こるのか?予言との付き合い方

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今、緊急でエディタを起動させているのだが、2025年の7月に大災害が起こるという予言が出ているらしい。
読者諸氏が本稿を読む時期は分からないが、執筆時期は2025年の5月である。

本件について、端的に言って「予言の大災害は起こらない」と予言しておく。
その根拠と、予言との付き合い方の話をしよう。

目次

予言の元ネタ

まず、この予言の元ネタの話に触れておく。
発端は1999年7月である。
この月に、「朝日ソノラマコミックス『ほんとうにあった怖い話コミックス 私が見た未来』(作:たつき諒)」が出版された。

本書表紙には「本の絵」が描かれていた。

「本の絵」の表紙タイトルは「夢日記」で、半開きの状態になっており、そこから覗くページには、夢の内容を示す文字が書かれている。

そしてそのページの1つに、「大災害は2011年3月」の文字があった。
この事を根拠として、「たつき諒氏は2011年3月11日の東日本大震災を予言した」という実績が出来上がった。

この時点でたつき諒氏は漫画家を引退していたのだが、なりすまし犯が現れた。
なりすまし犯は、独自の「予言」を流布させたり、『私が見た未来』の再版を目論むなどの動きがあった。
これを知ったたつき諒氏本人が動き、なりすまし犯の再版を取り止めさせた。

その後、たつき諒氏本人により、2021年10月に飛鳥新社『私が見た未来 完全版』が発行された。
この完全版の飛鳥新社編集部による前書きには、完全版として夢日記の内容が新たに追加された旨と「本当の大災難は2025年7月にやってくる」と太字で書かれていた。

ショッキングな内容として「完全版」は、発売後1ヶ月半で40万部を売上げた。

その後中国語版が中国で知られたため、「日本で大災害が発生する」と解釈され、日本への旅行者が大幅に減ったというのが最近の状況である。

結論:この予言は外れる

結論から言っておくと、この予言は外れる。
何故なら、たつき諒氏本人に予知能力はないからだ。
もし予言能力があるなら、なりすましの出現に右往左往する訳がない。

「なりすまし犯を泳がせる」という作戦を採るにしても、1度決まった再版を取り下げさせるような、出版社に迷惑をかける方法は絶対に採らない。
そして、余程の人気作家でもない限り、出版社に迷惑をかければ、次からは使われない。そういうパワーバランスで成り立っている。

発行年を考えれば分かるが、同書はノストラダムスブームの雰囲気に合わせて売られただけのものだろう。
記載された日付が東日本大震災と一致したのは偶然の産物だ。

あれほどの大地震が偶然一致する訳がない、そう思うだろうか?
大地震は案外多い。
2000〜2011年の間のマグニチュード8以上の地震は、世界で15件発生している。
0件だったのは2002年と2008年だけだ。外す方が難しい。

「外す方が難しい」これは、たつき諒氏1人の話ではない。
その他何万人だかの「大災害の予言」した人間の中で、という話だ。
予言者が予言を的中させたように見えるのは、生存者バイアスに過ぎない。その影に、何万人もの「予言を外した普通の人」がいる。

たつき諒氏以外の別の誰かが、東日本大震災なり、十勝沖地震なり、阪神大震災なり、能登半島地震なりを当てていれば、そちらが本稿の対象になっていただけの事だ。
そもそも記述は「大災害」だけで、その内容は地震であるとも述べていない。

2020年からのコロナ禍の時期に当たれば、当然これに当てはめられていただろう。
この期間でも、

  • 2019年12月 最初の感染者が見つかった
  • 2020年1月 日本で最初の感染者が見つかった
  • 2020年3月 日本で休校が始まった

など、ポイントは複数存在する。

更に戦争が発生しても当然引用された筈だ。
ウクライナ戦争だけではない、イスラエルも酷い事になっていた。
トランプの関税も経済的に見れば大災害だ。

従って、東日本大震災の予言は、比較的命中率の高いものを偶然当てたたつき諒氏が注目された、というだけで、彼女の予知能力を証明するものではない。

従って、第二の予言であるところの、2025年7月を恐れる根拠は何もない。
当然、日本は地震国でありいつでも地震は起こり得る。現在は地政学的な不安定さもある。
当たり前の備えは必要だ。
だが、2025年7月もその発生率に偏りはない。いつもと同じだ。

大震災の痕跡 関西空港

予知能力はどう使う?

では、もしあなたが予知能力を持ってしまったら、どうするべきだろうか。
大災害を予知出来たところで、信じて貰える事はない。
悪貨は良貨を駆逐する、予言は出回りすぎていて、完璧に紛れてしまう。
ここで有効に能力を使い立ち回る方法としては、以下のようなものが考えられるだろう。

あなたの予知能力が、あらゆる事を知らせてくれる場合

まず、資産を増やすと良い。
人間、金を持っていると信頼を得やすい。
株価変動を予知して売買すると良い。銘柄を見渡せば1日に5パーセント程度の変動ものは必ずある。

トイチより遥かにハイペースで資産が膨れ上がる。
具体的に言えば100日で130倍、1年で50,000,000倍ほどに増やせる。
種銭が10万円しかなかったとしても、1年後にあなたの「予言」に耳を貸さないものはかなり増えるだろう。
尚、公表するのは、先に防犯設備を導入してからである事は言うまでもない。

2つの大災害が予知できる場合

あなたがもし、既にある程度発信力を持っているなら、1つ目を公表して的中させ、2つ目の信頼性を高めると良いだろう。

今回のたつき諒氏と同程度に注目を集められる可能性がある。
発信力がない場合は、やはり資産形成で大きな実績を上げて見せるのが良い。
株式投資の場合、値下げでも空売りで儲けられるため、災害で壊滅しそうな会社の株に全財産投入すると良い。

これを予め発信し、大災害後に実際に儲かった姿を発信すれば、次の予言はかなり信用されやすくなるだろう。そして、たった1つの大災害しか予知できず、しかもその確率も確実ではない場合はどうだろう。

これは難しい・・・というより、他人に信じさせる事は不可能と言って良い。

この場合、万人を救う事を諦め、救いたい人を救う事に心血を注ぐと良いだろう。

どのように行動すべきか分からなければ、旧約聖書『創世記』のノアが参考になるかも知れない。
自分でも半信半疑なら、無理に従う必要はない。そのインスピレーションが、善き者によって伝えられているとは限らないのだ。
非常持出袋の中身をチェックする程度にしておくのが、精神衛生上良い。

未来が怖い時

危険に備える事は大事だが、未来について知ったり考えたりする事は、必ずしも幸せに繋がるとは限らない。
楽しい時に、終わる時を考えて暗い気分になったところで、トータルの楽しい気分が減るだけの事だ。

どうしても未来が怖くなってしまうのであれば、拠って立つべきオカルト的存在に頼る、すなわち自分にとって丁度良い信仰を持つというのも、悪くない解決法である。
ここでいう信仰は、必ずしも教義宗教を意味しない。八百万の神々の何を選んでも良いし、自分で構築しても良いのだ。

参考
飛鳥新社『私が見た未来 完全版』(著:たつき諒)
ウィキペディア 竜樹諒・2011年の地震

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