南太平洋に浮かぶ孤島イースター島、海岸線に立ち並ぶモアイ像は、もはや説明不要だろう。
オカルト好きでなくても、その姿を一度は目にしたことがあるはずだ。
あまりにも有名すぎるせいなのか、当サイトではこれまで取り上げる機会がなかった。
だがしかし、世界中で語られる巨石文明の謎を考えるうえで、モアイ像は避けて通れない存在でもある。
定番ネタではあるが、今回はあえて持論を展開してみよう。
モアイ像はなにを意味する
現在の考古学では、モアイ像は祖先や有力者を表現した石像であると考えられている。
島の人々は亡くなった祖先の力が子孫を守ると信じており、その象徴としてモアイ像を建立したという説が有力。
一般的には海を見つめているような印象を受けるが、多くのモアイ像は海ではなく内陸側を向いている。
それはまるで、住民を見守っているとも受け取れるからこそである。
そして、モアイ像は顔だけの石像ではなく、発掘調査によって地中に埋もれた胴体や腕が確認されており、本来は人間の姿をした巨大な石像だったことが分かっている。
これはいったい何を意味するのだろうか?
モアイは歩いた
島内には900体以上のモアイ像が存在するとされ、多くはラノ・ララク火山の斜面で切り出された。
現在でも現地には制作途中で放棄されたモアイ像が数多く残されており、当時の石工たちの作業現場を見ているような気分になる。
一般的なモアイ像の高さは4〜5メートルほどだが、中には10メートルを超えるものも存在し、未完成の巨大モアイの中には20メートル級に達するものまである。
モアイ像最大の謎として長く語られてきたのは、とてつもない重量のモアイ像をどうやって運搬したかで、丸太や木製ソリを利用したという説が有力だった。
当時の技術レベルでは、そう考えるのがむしろ当たり前だろう。
しかし近年、研究者たちが注目しているのが、「歩くモアイ」説である。
イースター島には古くから「モアイは歩いて目的地へ向かった」という伝承が残されていた。
一見すると神話や伝説のような話だが、研究者たちは実物に近い模型を用いて実験を行った。
モアイの左右に縄を結び、交互に引っ張りながら揺らす。
すると石像は重心を移動させながら、まるで歩くように前進していく。
石像が自ら歩いたわけではないが、かつて荒唐無稽と思われていた伝承の中に、実際の運搬技術の方法が残されていた可能性が浮上したのだ。
音で巨石を動かした伝説
古代の巨石遺跡には、不思議な伝承が数多く残されている。
古代エジプトでは歌によって石を動かしたという話が語られ、南米にも祈りや音によって巨石を運んだという言い伝えが存在する。
こうした話から、「古代人は音の力で巨石を動かしていたのではないか」という説が生まれている。
実際、現代科学には音響浮遊と呼ばれる現象が存在する。
強力な音波によって小さな物体を空中に浮かせる研究は実際に行われており、音で物体を制御すること自体は空想ではない。
しかし、ここで注意しなければならない。
現在確認されている音響浮遊技術で扱えるのは微小な物体であり、数十トンものモアイ像を浮かせたことを示す証拠は存在しない。
また、音響浮遊は特殊な機械が必要となるため、古代人が同様の方法でモアイを運搬していた痕跡も発見されていない。少なくとも、笛や太鼓などの楽器だけで再現することは不可能である。
そのため、「音でモアイを浮かせた」という説を事実として扱うことはできない。
だが興味深いのは、世界中で似たような伝承が繰り返し登場することである。
もしかすると古代人は、私たちがまだ十分に理解していない振動や共振の性質を経験的に利用していたのかもしれない。あるいは単純な運搬技術が長い年月の中で神秘的に変化して伝説へとと変化したのかもしれない。
持論の結論
モアイ像については、超古代文明説や宇宙人説も語られている。
巨大な石像群や数多くの未解明要素を見ると、そうした想像をしたくなる気持ちは理解できるが、現在の考古学では、モアイ像はポリネシア系住民によって建造されたと考えられている。
宇宙人や失われた超文明の存在を示す証拠も見つかっていない。
そもそも巨大な石像を切り出し、運び、立てるという、技術そのものは少しずつ解明されつつある。
だが、技術が分かれば謎が消えるわけではない。
モアイの本質的な謎は「どうやって造ったのか」ではなく、「なぜ造ったのか」にある。
祖先信仰だったのか?
権力の象徴だったのか?
あるいは島社会における競争の結果だったのか?
人口の限られた孤島で、何世代にもわたって巨大石像が造られ続けたのか?
なぜ人々はそれほどまでにモアイへ情熱を注いだのか!
背後にいた人々が何を考え、何を信じ、何を後世へ残そうとしたのかは、だからこそモアイ像は、世界有数のミステリーとして語られ続けられるのにふさわしい存在だ。
※画像はイメージです。


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