その日は授業が午前中に終わり、美術部だった私は部室へ行ってお弁当を食べていました。
他のクラスは授業中だったために部室にほかの人の姿はありません。校舎の4階の奥の角にあり、周りの音楽室や科学室で授業では使われていないようで、とても静かな空間だったのを覚えています。
バンバンバンバン
半分くらい食べた頃、突然、強く叩くような音が背後から聞こえてきたのです。
それも一回ではなく、何度も何度もバンバンと、手のひらで叩くような音が室内に響き渡りました。
最初は窓に何かぶつかったのかと思いましたが、音のリズムはバラバラで、大きさや強さもまちまち・・・誰かが意図的になにかを訴えているかのよう。
部室は角教室なので入り口は廊下に面した一ヶ所だけ、反対側は窓になっており、ベランダなどもありません。
それでも誰かのイタズラだろうと、全ての窓のカーテンを開いて、ガラスも開けてみたけれどなにもなく、校庭で他のクラスが体育している姿がみえるだけ。
そうすると今度は入口の扉からバンバンと聞こえてくるので、イタズラしている奴を捕まえてやろうとダッシュで扉をあけたのですが・・・誰もいない。
止まらない音
今度は窓からバンバン、バンバンと聞こえだし、でも誰もいない。
私は怖くなって机にうずくまり、イヤホンで聞いていた音楽の音量を上げました。
音楽に打ち消されながらも、バンバン、バンバンと音が聞こえてきます。
しばらくするとガチャリと扉が開く音がして、ドキッとしながら見上げると別の部員が入ってきたと同時に、ぴたっと音はやみました。
教室中に響き渡るような音で外にいても聞こえないはずがないと思うのですが、その子に「いまなんか変な音してなかった?」と聞いても「なにそれ?」と首をかしげるだけ。
やがて部員が集まり、皆に事情を話すとだいたいが気のせいだと笑うのですが、一人だけこんな話を聞いた事があると話はじめました。
彼の話は・・・・。
戦時中は病院だったという噂があり、それを裏付けるように「手術中」という看板が校舎内の物置に実在しています。
その為でしょうか時おり不思議な事が起きるようで、例えば見回りの先生が放課後に教室に残っていた生徒に早く帰るように注意しようとしたら消えたとか。
それも普通の先生なら信用できませんが、生徒から怖れられる生活指導の教諭の話だった。
それを聞いた後、部活の規則に「部室に行くときは必ず人がいるときに入りましょう、決して一人にならないように」が追加されるなど、すこし美術部っぽい冗談っぽさを感じますが、ほぼ皆が怖がったのです。
なんだったのでしょう
それ以降、部室に行くときは必ず人がいるときに入るようにし、卒業まで同じ音を聞くことはありませんでした。
病院だったというのは、実際本当なのはは解りませんが学校は不思議な事が起きやすい場所なのでしょう。
皆さんの学校にも不思議な事はありませんか?
※画像はイメージです。
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