温泉地に行ったときの怖い話

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仲の良い友人達と温泉地に旅行に行ったときの話です。
山の中にあって、坂道が多く、宿や店がぎゅっと固まっているような場所でした。
昼間は人も多くて賑やかだったのですが、夜になると急に静かになります。

宿に着いた日の夜、夕食が終わったあと、旅館の女将さんが片付けをしながら、ふと思い出したように言いました。

「夜は、あんまり川のほうに行かないほうがいいですよ。たまに、変な影を見たって言う人がいるので」

言い方は軽くて、脅す感じではなかったです。
注意というより、世間話の延長みたいな感じでした。

そのときは特に気にしていなかったのですが、部屋に戻ってもなかなか眠れず、外を歩いてみようということになりました。浴衣のまま宿を出ました。

夜の温泉街は昼と全然違っていました。
店はほとんど閉まっていて、明かりも少なく、聞こえるのは川の音くらいでした。
坂道を下った先に、水が流れている場所があって、街灯が水面に反射していました。

そのあたりを歩いていたとき、友人の一人が立ち止まりました。

「今、あそこ、何か見えなかった?」

言われて見ると、水の上に影みたいなものがありました。
はっきりした形ではなくて、でも、ただの暗がりとも違う感じでした。
風はなかったと思うのですが、その影だけが、少しずつ動いているように見えました。

しばらく、全員で黙って見ていました。
誰も「何だあれだ」とかは言わなくて、ただ見ていました。
そのうち、水の向こうから声みたいな音が聞こえました。
誰かが話しているようにも聞こえるし、川の音がそう聞こえただけかもしれません。
正直、よく分かりません。

「今、聞こえたよね?」

そう言った人がいましたが、はっきり「聞こえた」と言い切る人はいませんでした。
気づいたら、影は見えなくなっていました。
それで、戻ろうとしたのですが、坂道が多いし、暗いし、同じような道が続いているので、迷ってしまいました。
行ったり来たりして、思っていたより時間がかかりました。
なんとか明るい通りに出て、宿に戻ったときは、変に疲れていました。

後で女将さんにそれとなく話すと、「ああ、そうですか」と言われただけでした。
特に驚いた様子もなく、それ以上は何も言われませんでした。
後から考えれば、全部気のせいだったのかもしれません。
暗さとか、旅行の疲れとか、そういうのが重なっただけだと思います。
ただ、あのとき見えた影と、少し道が分からなくなったことは、今でもよく覚えています。
あれが何だったのかは、正直、分かりません。

佐藤けいたろ

「奇妙な話を聞かせ続けて・・・」の応募作品です。
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※画像はイメージです。

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