喫煙は神に至る道か

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今期アニメで煙草を題材にしたものを2本見かけた。

当方、政令指定都市住まいだが、街を歩いて喫煙者を見かける事がすっかりなくなった。
概ねどの地域でも近い状況と考えると、この煙草ネタは、昨今流行りの昭和レトロ、平成レトロの懐古需要狙いの変化球だと思われる。

喫煙は何らかのブレイクスルーが起こらない限りほぼ間違いなく、消え去るだけの習慣であるが、オカルトの分野では決して煙のように軽い物でもない。

目次

タバコとは

タバコとは、ナス科タバコ属の植物の名で、南アメリカの熱帯原産である。
これをユーラシア大陸に持ち込んだのが、かのクリストファー・コロンブスである。

かつて売られていた「紙巻きタバコ」は、このタバコの葉を乾燥させてから刻み、香料などを添加して紙で筒状に巻いたものだ。吸口にはフィルターが付くが、タバコの葉単体で保管し、吸う時に自分で手巻きしたり、煙管やパイプに詰めて吸う事もある。
葉を刻まずに筒状に丸めて吸うものが、高級品として知られる「葉巻」であり、歴史はこちらの方が古い。

喫煙は、葉に火を点け、文字通り煙を吸う(喫する)が、直接吸い込むだけでなく、水を通したり、成分を取り出したものを口内の粘膜から吸収するといった摂取法もある。

喫煙によって得られる主な利益は、ニコチンによる脳内報酬系の活性化である。
つまり、アルコールやドラッグと同列のものであり、同じように習慣性を持つ。
習慣性が付いてしまった場合、ニコチンが薄まると不快感を覚えるようになり、ニコチンの供給で収まる。
このため、場所も時間もかまわずタバコを吸いたくなってしまい、そこに合理的な判断は働かなくなる。
報酬系は全ての行動のモチベーションであるから、その強制力は絶大だ。

喫煙の位置付け

アメリカ先住民にとって、タバコは儀式に欠かせないものだった。
タバコの煙は、病気を追い払う呪術に用いられ、その形によって神託を読み取る事もあったという。
文化的な重要な位置に置かれ、友好の儀式として喫煙が組み込まれる事もあったという。

一方、喫煙はタバコの専売特許という訳ではない。
ガンジャ、すなわち大麻、マリファナも、煙を吸引する事で成分を取り込むドラッグである。
大麻は、抑制薬としての効能があり、相性はあるものの、軽度の幻覚作用も持つ。
ユーラシアにおける歴史で言えば、こちらの方がずっと古い。
紀元前の中国で既に大麻は発見され、ヘロドトスも、スキタイ人やトラキア人の喫煙習慣を伝えている。
原料である麻は繊維材料になる事から、各所に植えられ、逸出後は自生もしたから、植物として有り触れたものになった。

本格的にタブー視され始めたのは、戦後の大麻取締法による規制後である。
この法律は、日本の繊維産業を衰退させ、アメリカの商品を買わせる目論見があった、という陰謀論もあるが、ここでは採り上げない。

大麻の本来的な用途は、タバコと類似しており、娯楽用から、医療、シャーマンによる儀式で用いられる事もあったという。

何故喫煙は神聖視された?

煙の上る先に神はおわすか?

さて、いずれの場合も、喫煙は神々のような上位存在へのアクセスに用いられている。
これは一体どういう事か?

まず、タバコの「薬効」が考えられる。
習慣性から、ニコチンは「不快を取り除く」効果があると誤認しやすい。
これは、他の病気の不快感も追い払えるという誤解を生む。
かつて病気は、超常現象であったから、多少なりともこれをコントロールできるように見える喫煙は、それ自体が超常の力を持ち、そして超常の力を持つ存在との接点になると結論付けられたのではなかろうか。

また、煙の物理的性質も、神を想像させる。
煙は燃やすだけで物質から立ち昇り、その後はすっかり宙に姿を消してしまう。
空は太陽が巡り、雨をもたらす、力ある存在が住まう世界であり、煙は地上と天界を繋ぐものに見えるだろう。

火を神と崇めたり、儀式の中で炎を使う宗教は珍しくない。
激しい炎は、同じように煙による天へのアクセスという推測を、多少なりとももたらしたと考えるのは自然だろう。むしろ、儀式による「大きな煙」が先にあって、手元でコントロール出来る小さな煙に変化していったと考える事もできる。

その中の燃料の1つに、タバコや大麻があれば、集団的なトリップが発生した可能性もある。

パワフルなタバコ

さて、ここからがオカルトである。

タバコが本当に上位存在にアクセス出来るアイテムだったとしたら、どうだろう。

この時、シャーマンが用いるのは正しい行動だ。実際に上位存在を憑依させ、力や神託を得られるのだから。
空と繋がる煙は、恐らく思念とエネルギーを伝達するケーブルになる。
上位存在への畏怖と、儀式により精神に空きが出来た事を伝達し、空いた脳に神などを降ろしているのだろう。

だが、そんなパワフルなタバコを、日常的な喫煙習慣で用いたとすると、どうだろう。
昭和期は、四六時中喫煙していたが、昨今の僅かに残った喫煙者らは、休憩のタイミングで吸っているようだ。
喫煙者が少数派になってから、タバコ休憩中に喫煙所で仕事の話をまとめる事もなくなった。
だとすると、喫煙中の思考は「虚無」に近くなる。シャーマンのトリップ準備と同じだ。
ここに、神や霊が入り込む余地は大きい。

だが、喫煙者はシャーマンのように上位存在に呼びかけてもいなければ、挨拶も、覚悟もしていない。
そもそも神々にアクセスできても無礼なノイズしか出せない。だとすると、むしろ周囲の低位の霊に存在をアピールしているだけになるまいか。

こうなれば、後は悪霊の憑依現象によるネガティブな結果しか起こらない。
憑依で暴れないまでも、生命力をかすめ取られ、免疫力が低下させられるかも知れない。

これを防ぐ方法はあるだろうか。
あり得る。
接続源たる煙を、周りに広げず、さっさと処分してしまえば良いのだ。
そう、空気清浄機である。

オカルティックなアクセスが空気清浄機で止まるのか、という問いには「可能である」と答える。
空気清浄機という名前そのものが、浄化要素を含む。
名前は即ち存在の一旦であり、日本の文化であれば言霊としての意味も持つ。オカルトが存在する世界において、特に明確な力を持つだろう。

タバコを吸うなら、空気清浄機に煙を吸わせ、一筋も外に漏らしてはならない。
これはマナーとしても、オカルト的な防衛法としても有益だ。
それを怠り、ベランダや換気扇で外に出すのはもっての他だ。それもせず、ただ部屋に煙を閉じ込め続けていれば、濃い煙に釣られてどんな悪霊が呼び寄せられるか分かったものではない。

特に、精神が無防備になりやすい睡眠間近の寝室は厳禁だ。
完全に身体が乗っ取られ、あなたや家族を短期間に破滅させるかも知れない。

タバコの次

健康にとって良いのか悪いのかはともかく、オカルト的には野放図な喫煙は危険極まりない事だと言わざるを得ない。
電子タバコは今のところ無害だが、タバコが減った現在「彼ら」の感覚も敏感になっている。
次に狙われる可能性は十分あるだろう。

参考
・たばこと塩の博物館 たばこと塩あれこれ
・ウィキペディア タバコ、たばこ、喫煙、大麻、葉巻たばこ

featured image:William Cullen Bryant and Sydney Howard Gay, Public domain, via Wikimedia Commons

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