海上自衛隊は2024年、「たいげい」を試験潜水艦へ種別変更し、第11潜水隊へ編入しました。
試験潜水艦とは
海上自衛隊には、搭載兵器や各種システムを洋上で試験する「試験艦」が存在します。
現在は試験艦「あすか」(ASE-6102)が「開発隊群 技術評価開発隊」に配属されており、新型装備の評価試験などに使用されています。
なお、2023年10月に実施された世界初の「レールガン洋上発射試験」については、防衛省は使用艦艇を公表していませんが、「あすか」が用いられたとみられています。
今回、「たいげい」が試験潜水艦へ種別変更されたことで、海上自衛隊は水中環境下における各種試験を専門的に実施できるようになりました。
海自は「たいげい」について、新規装備品の研究開発・試験協力などを行う艦として説明しています。これまで潜水艦用装備の試験は、実任務中の潜水艦が持ち回りで対応していたとみられ、専用艦の配備によって通常任務への影響軽減も期待されています。
たいげい
「たいげい(SS-513)」は、たいげい型潜水艦の1番艦ネームシップとして建造されました。
前級そうりゅう型では非大気依存推進(AIP)システムが採用されていましたが、11番艦「おうりゅう」以降では、従来の鉛蓄電池に代わってリチウムイオン蓄電池を搭載しています。そのため、AIPシステム用スペースを蓄電池区画へ転用する設計変更が行われました。
たいげい型では、基本設計はそうりゅう型を踏襲しつつも、建造段階からリチウムイオン蓄電池の搭載を前提とした設計が行われています。また、各国海軍潜水艦で採用が進む防振・静粛化構造に近い設計思想が取り入れられているとみられており、機器類の振動を船体へ伝えにくくすることで静粛性向上を図っていると考えられています。
今後の運用
「たいげい」は海上自衛隊「潜水隊群」直轄の第11潜水隊に所属しています。
2022年12月に策定された「防衛力整備計画」には、潜水艦発射型誘導弾に関する研究開発が明記されています。一部の軍事系メディアでは、「たいげい」が垂直発射装置(VLS)関連試験に用いられる可能性も指摘されていますが、防衛省は現時点で詳細を公表していません。
また、2010年策定の防衛計画大綱では、海上自衛隊潜水艦部隊を「22隻体制(+練習潜水艦2隻)」とする方針が示されています。ただし、試験潜水艦へ種別変更された「たいげい」をこの定数へ含めるかについて、防衛省は現時点で明確な説明を行っていません。
試験潜水艦という艦種は海上自衛隊でも前例がなく、今後どのような試験任務や運用形態が与えられるのか、注目が集まっています。
※画像はイメージです。


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