2023年度(令和5年度)の末である2024年(令和6年)の3月で本州にある戦車部隊が解散となります。
戦車の削減と同じく陸上自衛隊も変化して来ました。
幕を閉じる戦車部隊
2023年度(令和5年度)の末で解散となる戦車部隊は、「東北方面隊の第6師団に所属する第6戦車大隊」、「中部方面隊の第10師団に所属する第10戦車大隊」、「同方面隊の第13旅団に所属する第13戦車中隊」です。
厳密に言えば、静岡県の御殿場駐屯地にある機甲教導連隊と評価支援隊が本州の戦車部隊として残りますがこれらは教育部隊です。
実戦を戦う前線部隊としての戦車部隊は2024年の春で本州から無くなります。
昭和の末には1200両もあった陸上自衛隊の戦車、それが多くの戦車を持つ脅威であったソ連が崩壊すると、削減の対象となりました。
平成に入り1200両から900両へ、更に600両へと減ります。
2013年(平成25年)に決定した防衛大綱と中期防衛整備計画でとうとう戦車は300両にして、北海道と九州のみに配備するとなりました。
戦車が最も集中する北部方面隊では、戦車の予備戦力であった第1戦車群が2014年(平成26年)に解散
第5師団と第11師団が旅団に改編された時に、2個戦車中隊を中心とした第5戦車大隊が第5戦車隊に、第11戦車大隊は第11戦車隊に縮小しました。
2023年までに第1戦車大隊・第3戦車大隊・第9戦車大隊・14戦車中隊が解散して、偵察隊と統合した偵察戦闘大隊か即応機動連隊の機動戦闘車中隊に変わりました。
佐賀県の久留米駐屯地にある第4戦車大隊と第8戦車大隊は統合して西部方面戦車隊として改編されました。
陸上自衛隊はこうして、北海道と九州に戦車部隊を置き、本州と四国は74式戦車の引退と同時にタイヤで走行する16式機動戦闘車と入れ替わります。
戦車削減と陸上自衛隊改編
平成で戦車の数が減ると共に陸上自衛隊も変わりました。
これまで13個師団・2個混成団だった陸自の主要部隊が7個師団・8個旅団となりました。
定員も18万人から16万人、そして現在では15万人です。
ソ連軍による侵攻を広い北海道で防ごうと考えていた陸上自衛隊は多くの兵力が必要でしたが、ソ連崩壊後は北朝鮮から侵入する特殊部隊や工作員、中国軍との先島諸島での攻防が想定される戦いとなりました。
多くの戦車や火砲よりも、部隊の身軽さや機動力が求められるようになったのです。
こうした変化で現在の陸上自衛隊で戦車の価値が低くなった訳ではありません。
北海道に駐屯する第7師団は機甲師団として存続しています。ロシアによるウクライナ侵攻は戦車が地上戦で重要である事を改めて示しました。
将来の日本周辺の国際情勢がどう変化するかによりますが、戦車が陸上自衛隊から無くなる事は無いでしょう。
※画像はイメージです。
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