帝国海軍の文化は普遍的なのでしょうか?
五省(ごせい)
五省は帝国海軍兵学校で生徒の訓育に使われた五訓で、昭和7年、学校長 松下元(はじめ)少将が創始した。
将官としてのあるべき人格に照らし、一日の己を振り返る規範であった。
- 至誠に悖(もと)るなかりしか
- 言行に恥づるなかりしか
- 気力に欠くるなかりしか
- 努力に憾(うら)みなかりしか
- 無精に亘(わた)るなかりしか
就寝前の自習時間終了5分前、机上を片付けて姿勢を正し、当番の暗唱を聴きながら自省するのである。
現在の海上自衛隊 幹部候補生学校でも五省は継承され、この習慣は実践されている。
1971~72年に米国海軍第七艦隊司令官だったウィリアム・P・マック中将は、江田島の候補生学校訪問の際、この五省に感銘を受け、アナポリス海軍兵学校に導入すべく英訳を持ち帰った。
帝国海軍の精神は時代や国境を越えて不滅である。
3Sの精神
艦艇の安全を守りながら海上での厳しい軍務を全うするために必要な、
艦上行動における心構え、即ちシーマンシップの精神を表したものである。
- Smart (機敏)
瞬く間に予想不能なほどに変化する戦況に即応できる事 - Steady(着実)
軍艦の各部署での作業を間違いなく完遂する事 - Silent(沈黙)
戦場、波風、活動中の艦内などでの激しい騒音の中で、伝達命令の確実な受領を果たすために不要な騒音を発しない事
超大国相手の厳しい戦いだった日露戦役に勝利するために、「月月火水木金金」と謳われた不休の猛訓練を耐え、旅順港閉塞戦や日本海海戦など激戦を経験した将官を教官に迎えた兵学校で、この精神的規範は戦場での重要な心構えとして生徒たちに叩き込まれた。
そして現代の海上自衛隊でも3Sの精神は幹部自衛官に不可欠な資質とされており、幹部候補生学校で実践教育を通して生徒に体得させている。
帝国海軍の伝統は今に活きている。
MMK
帝国海軍は明治維新後の創成期に英国海軍から制度・技術を導入し、以後一貫してこれを基に発展してきた。
よって各所に使われる英語表記を始めとする、英国式の精神性や思考方法が帝国海軍に色濃く影響することになった。
MMKは「モテてモテて困る(Motete Motete Kmaru)」の意味である。
他にもF「ふられる」、N「のろける」、KA[かかあ」、BA「ババア」、BU「ブス」、KI「キス」などがある。
またホワイト「しろうと女」、ブラック「くろうと女」、エス「芸者=Single」、ナイス「美人=Nice」などと英訳のカタカナも使われた。
精力有り余る若い士官たちにとっては非番の楽しみにまつわる、しかし厳格であるべき将官としては大声で言えない、これらの言葉は隠語になった。
それが英語に由来するという、こんなところにさえ帝国海軍の伝統が垣間見えて面白い。
今、さる人気タレントがDAI語なる言葉を操るが、MMKを何と訳すのだろう。
彼は元総理大臣の政治家を祖父に持つ。もしや海軍将官だった人物がその周辺にーと思ったが、その形跡はなさそうだ。
帝国海軍の伝統とは関係ないようだが、若い海軍士官たちの感覚が現代にそのまま通用しているのは興味深い。
帝国海軍の文化は普遍的・・・なのか?


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